劇的逆転でブラジル撃破のなでしこ、笑顔の熊谷紗希「次につながる」パリ五輪サッカー女子

AI要約

パリ五輪サッカー女子の日本代表「なでしこジャパン」がブラジルに2-1で勝利。試合後の選手たちの感動の涙と笑顔が光った。

田中がPKを外し、谷川が決勝ゴールを決めるなど、劇的な展開によりチームが一体となって勝利を掴んだ。

チームは厳しい展開に立ち向かい、勝ち点を積み重ねることで決勝トーナメント進出に向けて前進した。

パリ五輪サッカー女子の日本代表「なでしこジャパン」は28日、パリで行われた1次リーグ第2戦でブラジルと対戦し、2-1で勝った。なかなかお目にかかれない劇的な逆転。試合後の取材エリアでは、PKを外した田中が泣き、決勝ゴールの谷川も泣き、同点PKを決めた主将の熊谷は笑った。1次リーグ敗退の危機から息を吹き返したなでしこの感情がほとばしった。

田中は0-0の前半ロスタイムに得たPKのキッカーを任されながら、GKに阻止された。後半11分に先制を許して最終盤に突入し、「これで負けたらと思うと怖かった」。後半追加タイムの逆転劇でPK失敗のショックは軽減され、「仲間に助けられて感謝している」とタオルで目頭を押さえた。

1-1の後半追加タイムに、敵陣のこぼれ球をワンタッチでたたき込んだ谷川も涙があふれた。初めて五輪の舞台に立った感想などを話しているうちに合宿直前に負った故障を思い返し、「選手やスタッフが支えてくれたおかげで今がある」と言葉を詰まらせた。

「どうしちゃったの。私たち、勝ったんじゃないの」とすぐさま谷川に笑いかけたのは熊谷だ。0-1の後半追加タイムに起死回生の同点PKを決めた強心臓の33歳は「こういう勝ち方は次につながる」と笑顔が絶えなかった。

多くの時間帯でブラジルに主導権を握られ、本来の姿とは程遠い。それでも後半追加タイムに入ってから勝ち点を0から3へ変えたことは、チームを立て直すきっかけになり得る。決勝トーナメント進出を懸けた31日のナイジェリア戦。命拾いを無駄にはしない。(奥山次郎)