【1日3分間のメンタル強化法 第17回】“勝利の女神”を引き寄せる!「三毒の焔」を知り、運を味方に付けよう<SMASH>

AI要約

テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツであり、メンタル強化の重要性を伝えるシリーズ記事。今回は運の概念と「三毒の焔」について解説。

勝利の女神やチャンスについての有名な言葉を引用しながら、人間関係や自己の持つ毒を通じて運やチャンスを呼び込む方法を考察。

三毒を昇華し、人間関係や努力を通じて運やチャンスをつかむ姿勢が重要であることを述べる。

【1日3分間のメンタル強化法 第17回】“勝利の女神”を引き寄せる!「三毒の焔」を知り、運を味方に付けよう<SMASH>

 テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。

 本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。

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「ネットに当たったボールが相手コートに入る」、「一つ前の電車に乗ったことで私の人生は変わった」、「偶然に買った宝くじで三等が当たった」。こんなラッキーな思いをしたことはありますか? 

 世の中には“運のいい人と悪い人”が確かにいると思います。アスリートの勝利インタビューの中でも「今日は運が味方をしてくれた」と言うコメントを聞くことがよくあります。スポーツの世界に限らず“勝利の女神”は存在しているのです。

 さて「三毒の焔」について少し説明しましょう。仏法の教えの中に、世の中の災いや人の浮き沈みは、ほとんどこの3つの毒で説明がつくとされています。「むさぼり・いかり・おろかさ」のことです。この3つの毒をわかりやすい言葉にすると以下のようになります。

 

「むさぼり」(強欲)→自己中心的で反感を買い協力者が現れない。

「いかり」→怒りの感情をコントロールできないと人間関係を崩す。

「おろかさ」(愚痴)→マイナスのイメージが先行し雰囲気が悪くなり友人が少なくなる。

 

 つまり【運は天から授かることもあるが、そのほとんどは人が運んできてくれる。人との関係を大切にしなさい】と言うことです。

「三毒の焔」について、かの有名な千利休さんは、人間が「毒」を持っていることを前提に、強欲を志にまで高めて、何もやろうとしない自分に怒り、愚かなまで一つのことに打ち込めばいいと言っています(※参考「利休にたずねよ」山本兼一著、文春文庫)。このような3つの毒の昇華の仕方はさすがです。

“勝利の女神”によく似た言葉にチャンスがあります。作家の浅田次郎さんはチャンスについて「人生にはチャンスが何度かあります。小さなチャンスはつかんでもその効果はたかが知れていますが、その積み重ねが更なるチャンスを招来することは確かです。やがて一生に三度しかないと言われるビッグチャンスが巡ってくるのです」と言っています。

構成●スマッシュ編集部