平戸海、新三役で勝ち越し 出足強烈で一気に豪ノ山押し出す 大相撲名古屋場所

AI要約

平戸海が豪ノ山を押し出し、強烈な相撲を見せる。

境川部屋での鍛錬が成果を表し、踏み込みが鋭くなり攻める相撲が増えてきた。

平戸海は師匠の期待に応え、小結での勝ち越しを果たし、関脇昇進に向けて頑張る意向を示す。

平戸海、新三役で勝ち越し 出足強烈で一気に豪ノ山押し出す 大相撲名古屋場所

〇平戸海(押し出し)●豪ノ山(名古屋場所12日目=25日)

平戸海のけれん味のない相撲がさえている。この日も豪ノ山のお株を奪うような強烈な出足だった。立ち合いから前傾姿勢を崩さず、相手の突きを下からあてがい、一気に押し出し。会心の内容に「良い相撲が取れました。当たることしか考えてなかった」と、わずかに表情をほころばせた。

巡業のなかった6月は境川部屋でじっくり体を鍛えてきた。毎週土曜日は兄弟子の佐田の海らに指導してもらいながら、普段はあまり行っていない筋力トレーニングで全身に刺激を入れた。名古屋入りしてからも「暑い中、我慢して稽古していた」(師匠の境川親方=元小結両国)という。

身長178センチ、体重138キロと決して体は大きくないが、地道な鍛錬で踏み込みが鋭くなり、まわしにこだわらず前に攻める相撲が増えてきたことが躍進の一因だろう。

境川親方の現役時代の番付に並んだ平戸海は場所前、「師匠を超えられるように頑張ります」と誓っていた。それは育ててもらったことへの恩返し。中卒たたき上げの24歳はその言葉通り、師匠が実現できなかった「小結での勝ち越し」を、まずは果たした。

「師匠がテレビ解説の時に勝ち越したいと思っていた。(ウォーミング)アップの時に(今日だと)気付いて、頑張らないとと思った。うれしいです」

関脇、さらにその上を狙うためにも、残り3日、白星を上積みしていきたい。(宝田将志)