MF堀川隼が指揮官の期待に応える決勝弾 静岡学園が興國との注目カードを制す

AI要約

静岡学園は前半20分に失点し、焦りながらも後半に逆転勝利を収めた。堀川隼選手が見事なミドルシュートで決勝点を挙げたことが光った。

堀川はロドリをロールモデルにしており、点を取れるボランチとしての成長を期待されていた。シュート練習の成果が表れ、指揮官から賞賛を受けた。

堀川は兵庫県から静岡学園に進学し、守備力だけでなく攻撃面でも存在感を示している。次戦でもチームの勝利に貢献する意気込みを見せている。

MF堀川隼が指揮官の期待に応える決勝弾 静岡学園が興國との注目カードを制す

 優勢に進めながらも、前半20分に一瞬の隙を突かれて失点。静岡学園は平静を装っていたが、35分ハーフの短期決戦というレギュレーションもあって選手たちは慌てていた。「正直、焦ってて…」(主将DF野田裕人/3年)。しかし、後半に2発を叩き込み、見事な逆転勝利で2回戦進出を決めた。

 7月27日に開幕した令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)。1回戦の注目カードとなった静岡学園と興國の一戦は立ち上がりから静岡学園が優勢に進めた。しかし、リードを許す展開に。それでも、後半20分にCB関戸海凪(3年)がCKのこぼれ球を押し込んで同点に追い付く。勢いに乗ると、迎えた23分。守備が持ち味の伏兵が鮮やかなミドルシュートを叩き込んだ。4-4-2の布陣でダブルボランチの一角を任されているMF堀川隼(3年)が自らパスを奪って持ち運び、左斜め45度の位置から右足を一閃。「自分は奪われた後に奪い返すことを常に意識している。ゴールの場面はそのまま奪って、良いコースにシュートを決められた」(堀川)。逆サイドネットに突き刺し、このゴールが決勝点となった。

 堀川はスペイン代表のロドリ(マンチェスター・シティ)をロールモデルにしており、広範囲をカバーしながらボール奪取でチームに貢献するタイプ。だが、川口修監督はゴールを奪うことも求めており、“点が取れる”ボランチになって欲しいと願っていた。

 そこは堀川も指摘を受けており、課題は把握済み。だからこそ、居残りでシュート練習に励んできた。その努力が実り、全国舞台でいきなり指揮官の期待に応えられたのは成長の証だろう。

 指揮官も堀川のプレーに賛辞を送り、成長ぶりに目を細める。

 「自ら奪った後に持ち上がってミドルシュートを決めてくれた。ボランチは守備だけではなく、得点を取る力も求めているので素晴らしいプレーでしたね」

 中学時代は兵庫県のVIVO FCでプレー。自分に足りないと感じていた“ドリブル”を磨くべく、静岡学園への進学を決めた。入学当初はボールコントロールの面で苦労し、練習などで課される課題をクリアできなかったという。だが、努力を重ねてスキルアップに成功。守備に加え、攻撃面でも貢献できる選手になり、今季は不動のレギュラーとして存在感を示している。

 結果を残し、チームの勝利に貢献した堀川。次戦も持ち前の守備力と磨いてきた技術とミドルシュートで違いを作れるか。自信を深めた頼れるボランチはさらなる活躍を誓い、28日の東山戦に臨む。

(文・写真=松尾祐希)