“千直巧者”西田が苦難乗り越え導いたラインミーティア

AI要約

西田雄一郎調教師の競馬人生を振り返る。高校生の頃に競馬に興味を持ち、オグリキャップの影響で騎手を目指す。騎手時代は重賞勝利も経験し、直線1000メートル戦で得意とする。

度重なる落馬や子供の病気などを乗り越え、ラインミーティアとのタッグで再び勝利を収める。その後、アイビスサマーダッシュで再び勝利を手にし、活躍を見せる。

現在は調教師として活躍中で、家族も元気だという。競馬人生の中での苦難を乗り越え、今後の活躍に期待が高まる。

“千直巧者”西田が苦難乗り越え導いたラインミーティア

 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、新潟競馬場ではアイビスサマーダッシュ(G3)が行われる。日本で唯一、そして新潟名物の直線1000メートル戦。現役騎手時代、この舞台を得意にしていたのが西田雄一郎調教師だ。

 1974年10月生まれの彼が競馬に興味を持ったのは高校生になってから。“奇跡の復活”と言われたオグリキャップのラストランを、同級生の影響で見て感動した。

 「それで騎手になりたいと思い、競馬学校を受験すると合格しました」

 高校を2年で中退して馬の世界に飛び込んだ。95年にデビューすると、2年目には早くも七夕賞(サクラエイコウオー)で重賞制覇を決めた。その後は毎年30勝近くを挙げたが、道交法違反で一時は騎手免許を返上した。

 05年には騎手復帰を果たすが、以前ほどは勝てなくなった。それでも08年には復帰後初めて2桁勝利を記録。この頃から直線1000メートルでたびたび好走を見せるようになる。10年にケイティラブでアイビスサマーダッシュを優勝。デビュー2年目以来となる重賞制覇を飾った。

 しかし、その後は度重なる落馬によるケガもあってまた成績が落ち込んだ。追い打ちをかけるように子供が重い病を負い、長い入院生活を強いられた。「引退を考えた時期もありました」。そんな17年に出合ったのがラインミーティアだった。直線1000メートルの邁進特別で初タッグを組むと優勝。その後、落鉄と出遅れで連敗した後、アイビスサマーダッシュに挑戦した。

 「連敗の敗因がはっきりしていたからチャンスはあると考えていました」

 その読みに間違いはなかった。抜け出した1番人気フィドゥーシアをゴール寸前で差し切ると、西田騎手は派手なガッツポーズを披露した。

 「この時期は本当に苦しかったので、自然とガッツポーズが出ました」

 現在はお子さんも元気だという。現在は調教師となった彼の活躍を期待しよう。(フリーライター)