「この負けをきっかけに成長できれば」横浜の強打捕手・椎木卿五サイクル安打も及ばず 父と同じプロ目指す

AI要約

横浜の主砲、椎木卿五が決勝戦で活躍するもチームは敗れる。サイクル安打を達成し、父と同じくプロを目指す強打者の成長意欲が表現される。

椎木はプレーに専念するため、主将の座を譲ったが、有言実行で決勝戦でサイクルヒットを記録。前主将としての責任感が見られる。

チームは椎木の活躍も虚しく、逆転はならず。しかし、椎木はこの敗戦を成長のきっかけと捉え、次なる目標に向かって前進する意志を示す。

「この負けをきっかけに成長できれば」横浜の強打捕手・椎木卿五サイクル安打も及ばず 父と同じプロ目指す

◆第106回全国高校野球選手権神奈川大会 ▽決勝 東海大相模6―4横浜(24日・横浜スタジアム)

 横浜の3番・椎木卿五は、最後まで主砲の仕事を全うした。「自分が打てば、絶対に逆転できる」。2点を追う9回2死。サイクル安打達成となる中前打で出塁すると、ベンチに向かって気持ちを爆発させた。「あとは任せた!」

 次打者の安打でチャンスは広がったが、反撃はそこまでだった。「やり切ったとは思うが、勝ちたかった」。二塁走者の椎木は、三塁を回ったところで、しばらく立ち尽くしていた。

 初回に先制の適時二塁打。3回には逆方向への右越えソロで追加点を挙げた。7回には三塁打を放ち、チームをけん引し続けた。今大会、26打数14安打で打率5割3分8厘、2本塁打をマークした強打者の次の夢は、中日、ロッテ、西武で捕手としてプレーした父・匠さん(53)と同じプロだ。「この負けをきっかけに成長できれば」と前を向いた。

 5月に主将の座を2年の阿部葉太に譲った。「『プレーに専念して、チームを勝たせてくれ』と(村田浩明監督に)言われました。悔しかったですが、とことんやってやろうと…」。決勝でのサイクルヒットは、有言実行の証しだ。「阿部がキャプテンのチームを、甲子園に連れていきたかった」。前主将らしい、責任感に満ちた言葉だった。(浜木 俊介)