玉竜旗男子・福岡大大濠 絶対的大将・関慶太郎が見据える頂点 昨年の不完全燃焼乗り越えて

AI要約

福岡大大濠は11年ぶりの玉竜旗高校剣道大会で関慶太郎を大将に据え、優勝を目指す。

関は小学生時代から注目され、実力と心の強さでチームを引っ張る存在として評価されている。

福岡大大濠はライバルの九州学院に対し、昨年の屈辱を晴らすために強く挑む決意を示している。

玉竜旗男子・福岡大大濠 絶対的大将・関慶太郎が見据える頂点 昨年の不完全燃焼乗り越えて

 世代トップクラスの剣士が試練を糧に、剣道に懸けた高校生活の集大成に臨む。

 11年ぶり8度目の玉竜旗高校剣道大会(25日開幕、福岡市・照葉積水ハウスアリーナ)制覇を目指す福岡大大濠は、3位だった前回大会に続いて関慶太郎(3年)を大将に据えた。福岡県須恵町出身の関は須恵剣友会で鍛錬を積み、小学6年と中学3年で個人戦日本一に輝いた。出ばな技と返し技を武器に、2022年の高校進学後も評判通りの実力を発揮。昨春は2年生大将としてチームを全国選抜大会初優勝に導いている。

 小学生時代から関に注目してきたという森大樹監督は「幼い頃に活躍していた選手でも成長に伴って勝てなくなることがある。彼は今も他を寄せつけないので技術以上の〝心の強さ〟を持っている」と評価する。

 しかし、昨年、思わぬ苦難が関を待っていた。

 5月に行われた全国総体(インターハイ)の福岡県予選で負傷して手術。その傷が癒えないうちに迎えた7月の玉竜旗は優勝した九州学院(熊本)と準決勝で対戦し、大将同士の勝負で延長2回の末に面を打たれて敗れた。関は「先輩たちと優勝できなかったことが悔しい」と今も唇をかむ。

 1年後のこの夏も、関とチームにとって最大のライバルは九州学院だ。3月の全国選抜大会を制し、玉竜旗も大将の森凰介(3年)ら強力な布陣で3連覇を視野に入れる。福岡大大濠は選抜の準決勝で宿敵を相手に1本も取れず0-2で完敗した。だが7月の九州大会では団体戦決勝で同校に敗れたものの、0-1とリードされながら関が森との大将戦で追い付き、代表戦までもつれる接戦を演じた。主将を兼ねる関は「チームと自分の修正点を見つけることができた」と前向きに捉え、森監督も「まだまだ相手が上だが、かなり近づいてきた」と雪辱への手応えを語る。

 福岡大大濠と九州学院が当たるとすれば決勝だ。指揮官が「絶対的な大将に成長してくれた」と信頼を寄せる関。「自分たちの強みを出し切れば勝てる。今年こそ絶対に優勝してみせる」と、大旗奪還に意欲をみなぎらせた。(山崎清文)