「二刀流の可能性」「抜けている」スカウト色めく! 福岡大大濠の「獅子」が最速147キロ零封リリーフ&豪快弾【高校野球】

AI要約

福岡大大濠が最速149キロ右腕、柴田獅子(れお、3年)の活躍で福岡大大濠が飯塚に快勝。平川絢翔が好リリーフ、柴田は打者としても活躍。

柴田のホームランでチームは勢いづく。プロスカウトも注目し、柴田自身も夏の甲子園を目指す意気込み。

九州国際大付、東海大福岡、春日も敗れ、福岡大大濠が勝ち進む。福岡の投手の実力にも言及。

「二刀流の可能性」「抜けている」スカウト色めく! 福岡大大濠の「獅子」が最速147キロ零封リリーフ&豪快弾【高校野球】

 ◆第106回全国高校野球選手権福岡大会準々決勝 福岡大大濠10―2飯塚(7回コールド)(20日、北九州市民球場)

 福岡大大濠が最速149キロ右腕、柴田獅子(れお、3年)の投打にわたる活躍で飯塚に快勝した。

 初回に2点を先制された先発の平川絢翔(あやと、3年)を2回途中から救援した。「肩の準備はあまりしていませんでした。そこは気持ちでカバーしました」。一塁でスタメン出場していたため、急きょ上がったマウンドではスライダーとカーブを低めに集めながら、この日最速で147キロを計測した真っすぐを生かした。高いポテンシャルを発揮し、被安打1で零封。先発した前回5回戦(対祐誠)は5回途中3失点(自責2)と苦しみ、平川の好リリーフに助けられた。今度は同級生のチームメートを救った。

 4番に座ったバットでも魅せた。1点を追う4回に高めの真っすぐを右翼席へ豪快にたたき込んだ。高校通算19本塁打となる同点弾はチームの今夏第1号となった。この一発でチームはにわかに勢いづいた。

 スタンドには日本ハム、ロッテ、広島などプロ各球団のスカウトが集結。DeNAの篠原貴行アマスカウトが「投手としての完成度が高く、高校生では抜けています。サイズや出力も魅力です」とうなずけば、中日の三瀬幸司スカウト(九州地区)も「打撃センスも素晴らしいですし、(投打)二刀流の可能性を秘めたスケールの大きさを感じます」と熱視線を送った。

 毎年のように本命視されながら、福岡大大濠は平成元年となる1989年を最後に夏の甲子園になかなか届かない。「(35年ぶりに福岡代表として)絶対に行く、という気持ちです」。柴田は言い切った。この日は3年連続の代表を狙った九州国際大付、春夏連続出場を目指した東海大福岡が敗れ、春の福岡大会を制した春日も散った。「近畿さん(近大福岡)が(九州国際大付に)勝った。田邊(周)選手も投手としてすごいです。福岡にはいい投手がたくさんいるので、そこは自分も吸収して、次の試合に臨みたい」。投げて良し、打って良し、加えてハートも二重丸のナイスガイが熱い福岡大会の「主役」を張る。

(西口憲一)