いばらき少年剣友会 幼児も中学生も「みんなで稽古するのがいい」

AI要約

いばらき少年剣友会は、竹刀を振る子どもたちの熱気溢れる様子や、館長である雨谷益水さんの歴史に裏打ちされた指導方法などが紹介されている。

稽古では決められた時間に集中し、大きな声で一生懸命取り組む姿が描かれ、様々な世代が協力し合う風土も伝えられている。

剣道を通じて気配りや思いやりを学ぶことの大切さが示され、川島寛太さんや川島大輔さんの大会出場への意気込みも語られている。

いばらき少年剣友会 幼児も中学生も「みんなで稽古するのがいい」

 「メーン!」「コテー!」。竹刀で打ち合う心地よい音とともに子どもたちの大きな声が道場中を響き渡る。いばらき少年剣友会(茨城県茨城町)では、幼児から経験豊富な中学生までが、そろって竹刀を振る。それは、夏休みの試合シーズンを前にした時期でも変わることはない。

 いばらき少年剣友会は、1980年にいばらき幼稚園を母体として創設された。館長は雨谷益水(あまがい・ますみ)さん(70)。過去に数々の全国大会で優勝経験があり、「いば少」の呼び名で知られる有数の名門道場だ。

 日々の稽古(けいこ)は1時間から1時間半と短時間。雨谷館長の四男で指導者の水紀(みずき)さん(37)は「決められた時間に集中して、とにかく大きな声で一生懸命にやるということを子どもたちには伝えています」。さまざまな世代が交じり合う稽古の合間には、道場のあちこちで幼い子どもたちに小学校高学年や中学生の年長者が目配りをしたり、「頑張れ!」と声をかけたりしている。これも伝統の一つ。小学6年でキャプテンの川島寛太さん(11)も「大きい人から小さい子までみんなで稽古するところがいい」と胸を張った。

 いば少で剣道のキャリアをスタートさせた水紀さん自身も、小学生のころから「小さい子の面倒を見てあげなさい」と教えられてきた。「大人になって社会に出ても、気配りができたり気づいてあげることができたり。そういう行動が身につきました」と語る。

 8月4日に東京都葛飾区の奥戸総合スポーツセンターで初開催される「葛飾区長杯争奪全国選抜少年少女剣道大会」(葛飾区剣道連盟主催、毎日新聞社など後援、富山常備薬特別協賛)にも出場する。中学3年の川島大輔(おおすけ)さん(14)は「中3なので、出場できる最初で最後の機会。優勝できるように頑張りたい」と意気込む。大会で監督を務める水紀さんは「勝ち負け以上に、見ている人の心が動くような試合をしたい」と話した。【曽根田和久】