【中京記念】この世に誕生していなかったかもしれないセルバーグ 連覇を前に〝ラッキーナンバー〟ゲットなるか?

AI要約

昨年中京記念を制したセルバーグの物語。血統、引退、奇跡の繁殖からの復活までを紹介。

セルバーグは5勝しており、全て6番枠からのスタート。今年は何番枠に入るのか注目。

中京記念が小倉競馬場で開催され、連覇を狙うセルバーグの行方が注目される。

【中京記念】この世に誕生していなかったかもしれないセルバーグ 連覇を前に〝ラッキーナンバー〟ゲットなるか?

[GⅢ中京記念=2024年7月21日(日曜)3歳上、小倉競馬場・芝1800メートル]

 今週末は小倉芝1800メートルを舞台にGⅢ中京記念が行われる。昨年、このレースを制したのがセルバーグ(牡5・鈴木孝)だ。

 同馬は父エピファネイア、母エナチャンという血統。母は2013年のセレクトセール(1歳=1300万円)で落札された馬だった。翌14年に美浦・大竹正博厩舎からデビューしたが、競走成績はわずか2戦したのみ。いずれも2桁着順(11→13着)に敗れ、引退している。

 しかし、引退の理由は「能力的に通用しないから……」ということではなかった。蹄葉炎の症状が出てしまったのが、ターフを去る理由だったのだ。

 一つ間違えば命を落としかねない蹄葉炎だが、エナチャンも同様だった。それでもオーナーの桑畑隆信氏、夏子氏夫妻が「何とか助けてほしい」と懇願。同馬を管理していた大竹調教師ら関係者が手を尽くし、一命を取り留めたという経緯があった。

 こうして奇跡的に繁殖に上がれたエナチャンから生まれてきたのがセルバーグだった。同馬は昨年の中京記念で逃げ切りを収め、重賞初制覇を達成。今年も中京記念に登録している。競馬場は本来の中京からイレギュラー的に小倉で行われるが、違う競馬場での連覇となるか、注目が集まる。

 ちなみにセルバーグは過去に5勝しているが、驚くことにその全てが6番枠からスタートを切っている。果たして今年は何番枠に入るのか? レース前から目が離せない。(平松さとし)