日本女子vsガーナ女子 試合後の池田太監督会見要旨

AI要約

なでしこジャパンは、MS&ADカップでガーナ女子代表に4-0で勝利した。

池田太監督は試合後の会見で、選手の成長や戦術変更について語った。

チームはオリンピックに向けて準備を進め、パリでの戦いに期待を寄せている。

日本女子vsガーナ女子 試合後の池田太監督会見要旨

 日本女子代表(なでしこジャパン)は13日、MS&ADカップでガーナ女子代表と対戦し、4-0で勝利した。

 以下、試合後の池田太監督会見要旨

●池田太監督

「千葉のキャンプを経て、ここ石川県金沢ゴーゴーカレースタジアムに来て、きょうガーナ女子代表と戦うことができたことに感謝しているし、きょう9000人を超えるサポーターに勇気をいただき、しっかり勝利できたことをうれしく思う。また、ガーナ代表も来日して対戦し、オリンピック前にこういった国際親善試合をできたことに感謝している。ゲームのなかで前半に退場者が出て、われわれのいろんな11対11のなかで試していくことは、前半のところで数的優位ができた部分ではそういったイレギュラーなことがあったが、それに応じての対応やハーフタイムの修正で後半にゴールができたこと、またそのゴールもセットプレーから取れたことも収穫だった。1点目はVARで本番と同じような雰囲気だった。準備のなかでいろんな積み上げができたという収穫があったゲームだと思う」

──4バックについて、守備面でガーナの縦パスをけっこう防ぐことができていた。

「11対11のときまで、守備の狙いはガーナのトップ下の選手のところをしっかり抑えること。また長いボールに対してファーストをしっかり取って、セカンドボールをしっかり奪うということ。ポジション的にも熊谷選手をそこのポジションに置いた狙いがあったなかで、守備面ではそういったできた部分はあったと考えている」

──攻撃面の感触はどうだったか。

「コンディションの部分はさらに上げていくこともある。イージーなミスというか、お互い合っていないような部分もあった。そこはフランスに入って、しっかりと修正と確認をして、トレーニングをしていきたい」

──セットプレーで得点が取れたことは本番に向けて自信は深まったか。

「いろんな凝ったことをしたわけではないが、タイミングやボールの質、そういうことも含めて、五輪本番では相手を分析して、いろんなことを考えることもできる。そういう意味ではスコアにつなげられたことは自信につながった」

──ハーフタイムで浜野まいかを投入した狙いと、そのパフォーマンスの評価はどうか。

「浜野選手も好調をキープしてくれていた。限られた一試合のなかで、選手のプレーする時間も確保したいという狙いもあったので、そういった意味ではある程度予定していた交代でもある。しっかりとボールを収めることができたり、もちろんゴールという結果もあるし、ボレーの反応も、プレーする時間を重ねていくほどに落ち着きも増えている。まだまだいろんな成長は必要だが、しっかりとチームの力になってくれた」

──藤野あおばのキッカーとしての評価はどうか。

「藤野のプレースキックの精度、そういった部分ではしっかりと結果を残してくれた。W杯のスウェーデン戦でもバーに当たったシーンもあった。そういった力をしっかりと見せてくれたと思っている」

──練習試合から中2日でのガーナ戦だった。五輪と同じようなスケジュールだが、コンディショニングの部分で見えた課題はあるか。

「千葉・幕張でのトレーニングマッチから中2日で移動して、今日の試合に臨んだ。まだまだコンディションを上げていくなかで、選手の疲労回復の必要性ということは経験値として体感できたんじゃないかなと思う。準備のところでも、そこに向けてのトレーニングをミーティングも含めてどう整理していくか、そういったピッチ外の準備のところでもいいシミュレーションになった」

──負傷した北川ひかるの現状はどうか。

「北川選手は、メディカルとチェックしてくるというところで、でも最後に一緒に挨拶もして、元気な姿だった。そういった意味でチェックする時間をしてから合流するという形を取って先にチェックさせに行った」

──前半4枚で、後半は5枚に変更した。チームにどういう変化があったか。

「予想通りというか、いくら準備していても、試合が始まったらいろんなことが起きる。変化に対応するということは、五輪でもあることだと思うし、それを経験できたことはプラスにもなった。一人退場者が出て、われわれのスタートの狙いであった1.5列目の選手もそこに少なくなったので、そこの選手をポジションを取るのではなくて、サイドの揺さぶりのなかからサイドの数的優位、サイドの選手の高さをもう少し高く取って、攻撃に厚みと突破の回数を増やしていこうという狙いがあった。1-3-4-3の形にして、後半修正をかけた。そこは選手もしっかり反応してプレーができた」

──被災地のサッカー少年少女たちが招待されていて、まだ自分たちのグラウンドでプレーできていない子もいる。改めてそういう子どもたちの前でプレーできたことをどう思うか。

「私たちがピッチでプレーすることによって、何か子どもたちも勇気を持ってもらえればなと思う。ここで復興支援マッチということで試合ができたことに感謝しているし、何かを伝えられたらとがんばったので、そういう思いが伝わってくれればいいなと思う」

──システム変更について、相手の対応で変えたのか、変えることを経験させるために変えたのか。

「システムを変えたところは、(相手が)1人減った変化に対応するために、攻撃の糸口を見つけるほうが効率的だということを判断して、後半から変えたということが、中心となっている。前半のうちに指示によって変えることも考えたが、一人少なくなっているなかで、どういったプレーが選手たちの気づきのなかにあるか見ている部分もあった。前半は相手が1人退場しても形を変えず、見ていた部分もある」

──事前に想定していたガーナと、実際に戦ってみた違いはあったか。

「これまでの試合を観ていたなかで、ロングボールやセカンドボールを拾ってからの攻撃というということもあったので、ミーティングでも共有していた。また前日の会見で、相手の監督もしっかりボールをつないでいくと言っていたので、そういったことにトライしてくるということも考えられるということは、選手もミーティングのなかでも話していた。実際にピッチに立って戦ってみたら、やはりロングボールというよりは少し勇気を持ってボールをつなごうということはベンチから声がかかっていたので、そういうことにトライしているんだなと思った。それに対してどうしていこうかというところで、相手の退場者も出て、そういう準備していたことと、実際にピッチで起こることの対応というところはできた」

──監督が言及されていたポリバレント性が発揮された試合になったか。

「一人の選手のポリバレント性もあるが、やはり18人、22人、そういった人数のなかで中2日の試合を戦っていくうえでは、一人の選手もいろんなポジション、役割、そういったことを経験する時間も考えていた。そういった意味では、それぞれのポジションに入ったときのプレーはできた。まだまだ質を上げていかなきゃいけない部分も多くあるが、そういった部分では経験値も含めて、できたこともあったと思う」

──アンダー世代を指揮していたときから長く過ごしている選手も多い。改めてどのような強みを世界に見せていきたいか。

「もちろんアンダー世代で戦ってきた選手もいるが、これまでなでしこジャパンを支えてくれた選手も含めて、チームの状態、コミュニケーション、ピッチ内外でも、そういったプラスの要素は大きいチーム。そういった全員の力をひとつのベクトルに乗せて、勝利という方向を持って戦えることはこのチームの強みでもある。そういった部分は、パリに入ってからさらにフォーカスして、同じ方向を向いていくんじゃないかなと思う」

──前半の4-3-3布陣は、どういうところを少し変えるとよりスムーズに行くと考えているか。

「距離感の部分ではそんなに悪くない部分もあった。出し手受け手のタイミング、受け手が準備をできていないときに、それぞれボールホルダーの感覚でボールを離してしまっている部分もあった。受け手と出し手のタイミングだったりお互いのやることの共有は、さらに精度を上げていければ。またコンビネーションとか、ボールのつながりはもう少しできたと思うし、コンディションでは反応の部分も含めて、これから初戦に向けて積み上げていければ」

──北川への期待はどうか。

「彼女はわれわれのチームでは左サイドを中心にプレーしてもらっている。彼女の左足から出るキック、クロス、アップダウンできるという特徴は、所属チームでもなでしこジャパンでも武器になっている。そういった自分の武器を出してくれればと期待している。ここ金沢ゴーゴーカレースタジアムの雰囲気は、お客さんとピッチが近く、サポーターの声も届いて、背中を押してくれた。サッカーをやりやすい環境で試合できたことをうれしく思う」

──北川はひざに違和感があったように見えたが、怪我はどうなのか。

「そういった場所も含めて、メディカルがチェックしているところ」

──女子は五輪もフル代表。W杯の翌年に五輪というスケジュールで強化をするうえでメリットデメリットはあるか。

「私が就任して2年9か月くらいだが、その間に予選があり、W杯があり、またオリンピックの予選があり、というところでは、メリットとしては継続的に選手を見ていける部分もある。逆に期間が詰まっているので、いろんなことを試す時間は少ないのかなという実感はある。そのなかでも大きな世界大会は、日本の国民の皆さんの注目度もあるし、オリンピックだと熱量もある。そういったところで、なでしこジャパンが活躍することが未来につながると思うので、全力でがんばってきます」