復調メルセデス、2連勝はハミルトン後任選びに「影響しない」とウルフ代表

AI要約

メルセデスF1は競争力を取り戻し、連勝を果たすも、トト・ウルフ代表はドライバー選びに影響は及ぼさないと語る。

メルセデスは2024年にハミルトンがチームを離脱するため、後任を選ぶ必要があるが、急ぐつもりはないとのこと。

アントネッリは注目の存在となっているが、F2昇格後は成績を残せていない。ウルフ代表も彼のポテンシャルを評価している。

復調メルセデス、2連勝はハミルトン後任選びに「影響しない」とウルフ代表

 メルセデスF1は直近のレースで2連勝するなど再び競争力を発揮するシーンが増えてきたが、トト・ウルフ代表はこの事がドライバー選びに影響は及ぼさないと語っている。

 メルセデスは2024年限りでルイス・ハミルトンがチームを離脱するため、その後任を選ぶ必要がある。ただ、チーム側はその選定を急ぐつもりはないとこれまで語ってきた。

 一方でメルセデスはシーズン序盤に不調だったものの、モナコGP以降のアップデートによって競争力を徐々に取り戻しつつあり、先日行なわれたイギリスGPではハミルトンがライバルのミスに関係なく勝利するなど、復活の兆しを示している。

 ただ、こうした好調ぶりが2025年のドライバー選択に影響を及ぼすことはないとウルフ代表は言う。

 候補のひとりとされているのは、今シーズンからFIA F2に参戦する育成ドライバーのアンドレア・キミ・アントネッリだ。そしてその選考プロセスに直近のF1での2連勝が影響するかと尋ねられたウルフ代表は「我々の考えには影響しない」と答えた。

「常々言ってきたが、我々は速いクルマを必要としている。速いクルマがあれば、ドライバーを乗せたときに我々としても興味深い。多くのドライバーにとっても興味深いだろう」

「だがそれはともかく、落ち着いてシーズンを続けていくこと、マシンに集中すること、そして選択肢はまだ同じかということを注視することが必要だと思う。そしてレースに勝つことで、それら全てがひっくり返ったりするわけではない」

 アントネッリはハミルトンの後任候補としてこれまで以上に注目の存在となったが、F2昇格後しばらくは目立った成績を残せていなかった。ただウルフ代表も指摘していたように、所属するプレマ自体が、調子を落としてもいる。

 イギリスGP前に、ウルフ代表はアントネッリに「チャンピオンは冷たい水の中でパフォーマンスを発揮し、泳ぐ必要がある」という激励の言葉もあった。そして彼は文字通り奮起し、イギリス戦のスプリントレースで勝利を収めて見せた。

 ウルフ代表はこの結果が「非常に重要」だと説明し、さらにこう続けた。

「F2は今年、非常に難しいものになっている。マシンのせいでね。彼と(チームメイトの)オリバー・ベアマンがマシンに非常に手こずっているのが分かるだろう。彼はドライビングに満足していないし、そのレースペースにも満足はしていない」

「しかし土曜日(F2スプリント)に彼が濡れた路面を走っている時、彼は他のライバルよりも2秒も速いこともあった。彼の才能や能力、ポテンシャルが分かる。あのレースで勝ったことで、彼は肩の重荷がずいぶん降りただろうとも思う。今日(F2フィーチャーレース)はDNFとなってしまったが、それは彼のせいではなかった」

 なおアントネッリは、イギリスGPでハミルトンが勝利した時、ウルフ代表の隣に控えていた。ウルフ代表はこの時のことを次のように語った。

「最高のイギリス人ドライバーが我々と共にイギリスGPを勝利している時、ガレージにはまだ運転免許すら持っていない若いイタリア人がいて、その光景を目の当たりにしていた。そして、私は彼が『自分もいつかああなりたい』と思ったに違いないと考えている」

「ここではなく、モンツァ(での勝利を夢見ている)かもしれないがね」