DeNA・石田裕太郎の躍進支える直球 プロ入り後に増した球威 入来コーチが示した道標

AI要約

DeNAの若手投手、石田裕太郎投手の好調ぶりが話題となっている。プロ入り後に球威を増した彼は、直球を武器に3試合3勝の好スタートを切っている。

石田裕は、ファームでの鍛錬を大事にし、入来2軍チーフ投手コーチの指導を受けながら、力強い直球を追求している。ストレートや変化球を器用に投げ分ける潜在能力も持っている。

フィジカル面や体調管理にも注力し、ウエートトレーニングや増量食事を取り入れるなど、日々成長を続けている石田裕。3勝目のボールを入来コーチに手渡し、さらなる成長を見据えている。

DeNA・石田裕太郎の躍進支える直球 プロ入り後に増した球威 入来コーチが示した道標

【球界ここだけの話】伸びのある直球が、低めに構えた捕手のミットに吸い込まれる。持ち前の制球力はもちろん、プロ入り後に増した球威が躍進の礎にある。デビューから3戦3勝と好発進を決めたDeNAのドラフト5位・石田裕太郎投手(22)=中大=は、直球の質に確かな手応えを感じている。

「プロに入ってからキャッチャーの方に(打者の)手元が強いといわれるようになった。ちょっと自信を持てています」

即戦力として期待される中、「長く野球をやるための1年目」と自らに言い聞かせ、春季キャンプから地道にファームで鍛錬を積んだ。「焦る必要はない」と声を掛けてくれた入来2軍チーフ投手コーチの指導のもと、追い求めたのは力強い直球。「入来さんに真っすぐ、真っすぐといわれていた」と振り返る。

コーナーを突いてストライクを取り、変化球も器用に投げ分ける潜在能力を持つ。入来コーチは「投げる技術はプロ野球界の中でも優れている」と見込む。だからこそ、小手先の技に走るような投手には育てまいという親心があった。「1年間しっかり投げ切るにはストレートがないと。打者を押し切らなきゃいけない場面がたくさんある。それを大事にしてこその技術」と力説する。

石田裕は180センチ、79キロ。フィジカル面に向上の余地があり、力の源となる体づくりに励む日々だ。大学時代よりも本格的なウエートトレーニングを取り入れ、食事も増量。体重は入団当初から5キロ増え、エンジンは大きくなりつつある。

6月9日のソフトバンク戦で初登板のチャンスを手にし、2戦目となった同16日の西武戦では9回95球で完封勝利を挙げた。直球の自己最速は149キロ。平均球速は大学時代と比べて1、2キロ上がったといい、球威で押し込む場面が徐々に増えてきた。「もしかしたら1、2キロの差なのかもしれない」と口にする。

3勝目の記念球は自身のサインに「3勝」と書き添え、感謝の気持ちを込めて入来コーチに手渡した。「うれしいね。飾っておくよ」と入来コーチ。伸びしろ十分のルーキーは「いろいろ試しながら投げている。まだ成長段階」とさらなる高みを見据えている。(鈴木智紘)