足首骨折から復帰するルーキー柴田裕一郎騎手、騎乗予定馬が代役で重賞制覇「あの日から、さらにリハビリを頑張りました」悔しさを成長の糧に

AI要約

19歳のルーキージョッキー柴田裕一郎騎手が右足首を骨折し、戦線離脱から復帰を果たす。調教中のアクシデントで騎乗機会を逃し、リハビリを経て再出発する決意を示す。

アリスヴェリテとの勝利のチャンスを逃した悔しさを振り返り、その経験を成長の機会と捉える。若手騎手としての成長を期待される柴田裕一郎の展望に注目が集まる。

悔しさを力に変え、リハビリに励む柴田裕一郎騎手の姿が熱い小倉競馬で再び見られることに期待が寄せられる。

足首骨折から復帰するルーキー柴田裕一郎騎手、騎乗予定馬が代役で重賞制覇「あの日から、さらにリハビリを頑張りました」悔しさを成長の糧に

◇中央競馬記者コラム「ターフビジョン」

 調教中に右足首を骨折して戦線離脱していたルーキーの柴田裕一郎騎手(19)=栗東・中竹=が、今週末の小倉競馬で復帰を果たす。5月28日の朝、坂路へ調教に向かう際に、放馬した空馬に蹴られるアクシデント。自分が騎乗していたのが幼い2歳馬ということもあり、馬が恐怖で固まってしまい、襲い掛かってきた時に、逃げることができなかった。不運な出来事だった。

 「その日も園田で交流競走に騎乗する予定でしたし、その週末も有力馬の依頼を受けていたので、めちゃくちゃ悔しかったです」と柴田裕は悪夢のような瞬間を振り返る。救急車で運ばれ、すぐに骨折が判明。6月28日に退院するまで、1カ月を病院で過ごした。デビューから3カ月が経過して、ちょうど競馬に慣れてきた大事な時期。当然、焦りはあった。

 特に6月16日は、痛恨の一日となってしまった。マーメイドSで、騎乗予定だったアリスヴェリテが、永島まなみを背に逃げ切り。「あの日は全く寝られませんでした。何度も何度もアリスヴェリテの姿が浮かんできて…」。自分が乗って勝てていたかは分からない。ただ、そのチャンスを逃したという事実が、若き胸を鋭くえぐった。

 ただし、「でも…」と柴田裕は続けた。「こんな悔しいことって、普通は経験できないことじゃないですか。実際、あの日から、さらにリハビリを頑張りましたから」。悔しい気持ちが強ければ強いほど、若者にとって成長の糧となる。けがをする前まで、ちょうど100鞍に騎乗して4勝。1年目、あと半年で、どれだけ成績を伸ばせるか。無念の思いを力に変えて、暑い小倉でリスタートする。 (黒柳勝博)