渾身のヘッドスライディング「夢みたい」 大師の花田煌次郎選手

AI要約

星槎国際湘南が大師を11-0で破る。大師の選手花田煌次郎は準備を万全にし、チームを盛り上げる。試合には気合十分で臨み、練習の成果を発揮する。

花田はセーフの判定後に喜びを表し、試合後には仲間と共に悔しさを共有する。20人弱の部員で短い間だが濃密な時間を共有し、下級生には更なる成長を期待する。

校歌を聞いた後、花田は笑顔で球場を後にし、仲間と共に3年間の思い出を振り返る。彼らの絆が試合や部活動を支えてきたことが伺える。

渾身のヘッドスライディング「夢みたい」 大師の花田煌次郎選手

 (8日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会1回戦 星槎国際湘南11―0大師)

 試合の前から、大師の花田煌次郎(3年)は気合十分だった。「ベンチから盛り上げていくぞ!」と手をたたきながら声を張り上げた。仲間もふっと笑みをもらし、「よっしゃー!」と応えた。

 「昨日は緊張であんまり眠れなかった。深夜12時に、一人でこっそり素振りしちゃったくらい」。相手が強いと聞いていたが、「負ける気がしない。100%の力で対戦する」。打撃練習では低く鋭い当たりを意識し、小技も磨いてきた。

 三回裏1死、甘く入ったスライダーをたたき、遊撃手の前に転がした。「上位打線に絶対つなぐ」と、渾身(こんしん)のヘッドスライディング。セーフの判定に「実は自分は打たないキャラで、粘って粘って四球を選ぶタイプ。夢みたいだと思った」と、満面の笑みでガッツポーズした。

 「次も行けるかも」と準備していたが、2打席目は回ってこず、五回コールド負け。試合後、相手校の校歌を嗚咽しながら聞いた。そばには、小学校から一緒で「こいつと野球をやる」と思わせてくれた主将の坂本将大(3年)、一度は退部したが戻ってきてくれた高階獅導(3年)がいた。

 3年生は3人で、部員は20人弱。「少ない人数で濃密な時間を過ごせた。下級生には、もっと上をめざしてほしい」。最後は爽やかな笑顔で球場を後にした。(手代木慶)