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離島の高校が「悲願の単独出場」達成! コールド敗戦も「誇りに思う」【24年夏・鹿児島大会】
国分中央が喜界を5回コールドで完勝。相原と東田の適時打で先制し、犠飛やエラーで3点を先取。投手陣も完璧な投球を見せた。
喜界は1安打も打てず、1人の走者も出せず、15人で攻撃が終わる。経験不足が露呈し、レベルの差が明確だった。
喜界は多くの支援を受けながら大会に臨み、大切なことを学びながら棚からぼた餅のような結果に満足している。
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第106回全国高校野球選手権鹿児島大会◇国分中央11―0喜界(5回コールド)◇2024年7月7日◇平和リース球場
国分中央は1回裏、一死から四球で出塁した2番・相原 謙心(3年)が二盗を決め、3番・東田 誠矢主将(3年)の中前適時打で先制。5番・福永 彪馬(3年)の犠飛とエラーで計3点を先取。2回は1番・川畑 柊斗(3年)、3番・東田主将、4番・仮屋 志颯(3年)の適時打で3点を追加した。4回には5番・福永の2本目の犠飛で7点目を挙げ、相手のエラーや暴投なども絡んで打者一巡で5点をダメ押した。
投手陣は3回まで左腕エース・奥 亮太(3年)、4回からは右腕・安藤 寿丈(3年)とつないで、喜界打線に1人の走者も許さない完璧な投球を披露した。
ノーシードながら秋春8強の強豪・国分中央の前に、5回コールド負けの完敗だった喜界だが、西尾 亜漣主将(3年)は「ずっと単独チームで出たいと思っていた。喜界で野球をやれたことを誇りに思う」と力強く振り返った。
「レベルの差」(星原一慶監督)があったのは否めない。ヒット性の当たりも確実に守られ、1安打も打てず、1人の走者も出せず、15人で攻撃が終わった。相手の攻撃は果敢に足を絡めて先の塁を狙い、着実に適時打で返す。こちらに守備のミスがあればそつなく突いて畳みかけてくる。それを食い止めるだけの経験は、ようやく9人そろったチームに不足していた。
「上で戦うチームがどんな野球をするか、知っただけでも大きな収穫」と星原監督は言う。どれだけピンチの場面になっても、点差が開いても「笑顔を忘れず、声を出して元気よくプレーする」(西尾主将)姿勢は最後まで貫いた。
4月に1年生が入って単独出場ができるようになってから「野球部でない多くの同級生が練習を手伝ってくれて自分たちを支えてくれた」ことが西尾主将は何より嬉しかった。スタンドには3月まで合同チームを組んでいた奄美・古仁屋のメンバーや、星原監督の前任校・松陽のメンバーが「友情応援」をしてくれた。その声はベンチの中まで着実に届いていた。「野球は1人ではできない。感謝の気持ちを忘れてはいけない」ことが身にしみた。
人数不足に苦労し、大会に出られるかどうか、毎大会ごとに気をもみながら続けた高校野球だったが、野球を通じて大切なことを学べたからこそ、喜界を「誇り」に思うことができた。