陸上日本選手権で「危機感」を連呼 世界を制したやり投げ・北口榛花が感じる壁「順調じゃない」

AI要約

北口榛花が陸上日本選手権で優勝し、パリ五輪に向けた不安を語る

コンディションが上がらず、調子に危機感を抱いている様子

競技会での成績は良いものの、自己評価としてはまだまだ改善の余地がある

陸上日本選手権で「危機感」を連呼 世界を制したやり投げ・北口榛花が感じる壁「順調じゃない」

 五輪金メダルへの道は簡単ではない。6月30日まで行われた陸上日本選手権(新潟・デンカビッグスワンスタジアム)。28日の女子やり投げ決勝では、昨年ブダペスト世界陸上女王の26歳・北口榛花(JAL)が62メートル87で2年ぶり4度目の優勝を飾った。レベルの違いを見せたが、すでに出場権を持つパリ五輪へ「危機感がある」と連呼。夢の金メダルに向けて一つの壁にぶつかっていた。

 優勝にも持ち前の明るさは爆発しなかった。北口は1投目から61メートル10をマーク。2投目の62メートル87でトップに立った。尻上がりに調子を上げるタイプだが、最終6投目は59メートル87。2位に終わって号泣した昨年大会の借りを返したが、取材エリアでは首を捻った。

「もう少し記録的な部分がほしかったけど、勝てたのはよかった。3投目から崩れてしまって立て直せなかった。気持ちよく投げられているけど、3投目から自分で崩してもったいない。3投目だけ悪い意味で次元が違う。そこから戻って来られなかった。やっぱり調子が上がっていないのは実感した。危機感はあるので、急ぐ必要はないけどしっかり、きっちり準備する必要はある」

 昨年ブダペスト世界陸上で金メダルの快挙。今季は4月末の世界最高峰ダイヤモンドリーグ(DL)蘇州大会を62メートル97優勝。1勝でも快挙とされたDLで通算7勝目を挙げた。5月5日の水戸招待は61メートル83で2連勝。しかし、コンディションが優れず、2週間は技術練習よりコンディション調整を最も重視した。

 5月のセイコーゴールデングランプリ(GGP)は63メートル45で制し、日本選手権直前のフィンランドの競技会で64メートル28の今季ベストをマーク。夏にピークを合わせながら結果も残してきた。ただ、感覚がいいとは言えず「あまり順調じゃない。もっと頑張らないといけない。とても危機感がある状態」と表情は浮かない。

「パリ五輪に向けて各国の選手が調子を上げてきている中、自分が上がりきらないことに一番危機感がある。64メートルでも『う~ん』という感じ。私が思っていたより、皆さんの記事が『調子が上がってきた』と良い感じに書いてくださっていてビックリしました(笑)。自分の中ではまだちょっと上がりきっていないかな」