【競輪】Jリーガーから転向3年 北井佑季がG1初制覇…岸和田G1高松宮記念杯

AI要約

北井佑季(34)が念願のタイトル奪取を果たし、初優勝を成し遂げた。

チームワークが実を結び、郡司に先頭を託したことで勝負はほぼ決まった。

北井は最終2角で番手発進し、先頭でゴール。涙を流しながら勝利を喜びました。

【競輪】Jリーガーから転向3年 北井佑季がG1初制覇…岸和田G1高松宮記念杯

令和6年能登半島地震復興支援競輪/大阪・関西万博協賛「第75回高松宮記念杯競輪」

 チームワークが実を結んだ。北井佑季(34)=神奈川・119期=が念願のタイトル奪取を果たした。初めて郡司に先頭を託した大一番。鋭いスタートで飛び出した郡司が正攻法を確保したことで勝負はほぼ決した。赤板で上昇した脇本に瞬時に反応して郡司が先行態勢へ。中団の外からまくった新山をけん制しながら、北井は最終2角で番手発進。最後に中を突っ込んできた古性と接触して落車するアクシデントはあったが、先頭でゴール。2度目のG1決勝で優勝をつかんだ。

 ゴール後落車(左肩と左下腿擦過傷)にしばらく倒れ込んだが、ゆっくり立ち上がり、大観衆の「北井コール」に深々と頭を下げて応えると、さらなる大声援が送られた。「最後にガシャンってなって正直、よく分からなかったが、必死に走った。本当に取りたい、取りたい、取れると信じて臨んだ大会だったので、勝つことができて良かった」と喜びをかみしめた。

 ラインの結束力をさらに実感した今シリーズだった。「脇本さんに出られたら苦しかったが、郡司さんがいいペースで踏んでくれた。郡司さんの思い、後ろの和田(真久留)さんの思い、同期の思いを感じながら、精いっぱい踏み切ろうと。自分の力だけでは取れなかったし、みんなの支えがあって取れたものだと思う」

 Jリーガーからの転身。21年5月のデビューから3年1か月15日(1143日、歴代5位の記録)でG1初制覇を成し遂げた。「悔いのないサッカー人生だったが、現役でいられるのは長くないし、その情熱を競輪に、と思ってやってきた。日々苦しい生活だが…、良かった。師匠(高木隆弘=64期)には、レーサーに乗れない時から教えてもらってきたし、『G1を取ってもらいたい』と強く思ってくれていると思うので、まずは一つ応えられてホッとした」。涙をこらえきれず拭う場面も。

 8月には、地元・平塚での「オールスター」が控えている。「ホームバンクだし、今回の決勝には3人が乗ったが、松井(宏佑)さんもそうなので、地元で盛り上げていきたい。今回は仲間に支えられての優勝なので、これからもしっかりと自分らしい、泥臭い走りで南関勢を引っ張っていきたい」。信頼できる多くの仲間とさらに競輪界をけん引していくつもりだ。(上倉 健)

 ◆北井 佑季(きたい・ゆうき)1990年1月27日、横浜市生まれ。34歳。幼少時からサッカーに打ち込み、桐光学園高―近大(中退)を経て、FC町田に入団。松本山雅、富山、FC相模原とJリーグで9年間プレー。引退後競輪に転向し、日本競輪選手養成所119期生として、2021年5月静岡でデビュー(〈3〉〈6〉〈1〉着)。昨年9月向日町でG3初V。GI決勝は今年2月岐阜「全日本選抜」(3着)以来、今回が2度目で初優勝。169センチ、78キロ、太もも62センチ。血液型O。