【大石大二郎】阪神で助っ人の期待値満たさないノイジー&ミエセス…豊田ら若手起用で打開したい

AI要約

初回の攻防で勝敗を分けたソフトバンク対阪神の試合。両チームが無死二塁の絶好機を迎えるも、ソフトバンクが3ランを放ち、阪神は3失点を喫する展開となった。

梅野のリードへの疑問や打線の不調、若手起用など評論家の見解を紹介。勝負どころでの戦術や選手起用について考察を行っている。

記事では、阪神の貧打についての懸念や改善の提案が述べられており、今後の展開に期待が寄せられている。

【大石大二郎】阪神で助っ人の期待値満たさないノイジー&ミエセス…豊田ら若手起用で打開したい

<ソフトバンク6-2阪神>◇15日◇みずほペイペイドーム

 現役時代は近鉄一筋17年で4度の盗塁王に輝き、オリックスで監督を務めた日刊スポーツ評論家の大石大二郎氏(65)が交流戦をチェック。ともにつくった初回無死二塁の攻防が勝敗を分けたと指摘し、梅野のリードにも疑問を呈しました。貧打打開に向けた現状ベストの1、2番やノイジーとミエセスの起用にも触れ、貯金0からの出直しプランを提言しました。【聞き手=松井清員】

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 初回の攻防が勝敗を分けてしまいましたね。両チームとも1番の近本と周東がヒットで出て、盗塁も決めて無死二塁の絶好機をつくりました。ここで阪神は2番中野が進塁打を打てず、3番森下と4番佐藤輝も凡退。一方のソフトバンクは、2番今宮が10球粘って四球を選び、3番栗原が送って、4番山川が三振でも5番近藤が3ラン。今の阪神打線に、よーいドンの3失点はかなり重いでしょう。

 初回の守りで一番ふに落ちなかったのは、1番周東を2ナッシングに追い込んでからの場面です。カットボールで内を攻めたかったのか、バックドア気味に外から中に曲げたかったのか。梅野は低め低めとジェスチャーするわけでもなく、ほぼ真ん中に構えていました。これではビーズリーに意図が伝わらない。中途半端な真ん中やや低めを中前に運ばれ、クイックも速くないから簡単に二盗も許してしまう。ビーズリーは甘い球が多かったとはいえ、一番出してはいけない打者を抑えていれば、展開は違ったかもしれない。非常にもったいない1球でした。

 攻撃では、初回に阪神は2番中野に送らせず強攻し、ソフトバンクは3番でも栗原に送らせた場面が対極でした。これは後ろの中軸に信頼できる打者がいるかいないかの差でしょう。阪神ベンチは本当に悩ましいと思います。この日は1番に近本を戻し、4番に佐藤輝を据えましたが、打線全体が低調なので、いくら打順を変えてもつながらないのが現状です。ただ個人的には、この日の1番近本、2番中野の並びがベストに感じます。初回にいきなりいやらしい2人と対戦するのは相手もいやなはずで、打席も多く回りますからね。

 もう1ついえば、外国人よりも、先日2安打した豊田ら若手を起用した方が良いのではと思いました。ノイジーもミエセスも本塁打を20~30本打つわけでもなく、助っ人の期待値を満たしていません。とはいえ打線がつながらないのに、バントもさせられない。若手ならバントも命じることができ、作戦の幅も広がります。阪神は野手の新外国人を取りにいってるんですかね。いずれにしても、この2人だと相手も怖くないでしょうし、決断の時が近づいているのかも知れません。(日刊スポーツ評論家)