【大学選手権】仙台大のエース・渡辺一生は152キロが出る変化球投手 異色経歴、高校は通信制 クラブチームでプレー

AI要約

仙台大が星槎道都大を7回コールドで下し、渡辺一生投手が自己最速の152キロをマークした試合レポート。

渡辺一生投手は変化球による7つの三振を奪い、チームの勝利に貢献。クラブチームでプレーした経験を持つ異色の経歴の持ち主。

高校時代からプロ野球選手を目指していたが、現在はチームの勝利に専念。大学で学んだフォア・ザ・チームの精神を大切にしている。

【大学選手権】仙台大のエース・渡辺一生は152キロが出る変化球投手 異色経歴、高校は通信制 クラブチームでプレー

◆第73回全日本大学野球選手権大会▽1回戦 仙台大9―0星槎道都大=7回コールド=(10日・東京ドーム)

 大学日本一を決める熱戦が開幕。神宮で3試合、東京Dで4試合が行われた。仙台大(仙台六大学)は3年生左腕・渡辺一生が星槎道都大(札幌学生)に自己最速の152キロを計測し、5回2安打無失点の快投。7回コールド発進に貢献した。

 150キロが出る変化球投手―。耳慣れないテーマを掲げる仙台大の身長170センチのサウスポーが、初めて立つ東京Dのマウンドで理想のピッチングを体現してみせた。

 渡辺一はストレートが切れ、自慢のチェンジアップにスライダーが大きく曲がり落ちる。自己最速を1キロ上回る152キロをマークする一方で、奪った7つの三振の決め球は全て変化球。「チェンジアップを投げることで、(相手は)真っすぐに差されていた。全国でも通用すると確認できました」と満足げに笑った。

 経歴も異色だ。最初に入学した高校になじめず、日本航空(山梨)の通信教育を受けながら、社会人クラブチームのBBCスカイホークス(現GXAスカイホークス)でプレーした。「仙台大で人として成長できました」と渡辺一。高校時代から担当する巨人・円谷スカウトは「もともと球は速かったですが、周りが見えるようになりましたね」と内面の進化を強調した。

 クラブチーム時代は、自分がプロ野球選手になることしか頭になかった。しかし、今は違う。「そればかりを考えていると、視野が狭くなります。チームを勝たせることを徹底してやっていきたい」。快投の裏には、大学で学んだフォア・ザ・チームの精神があった。(浜木 俊介)

 ◆渡辺 一生(わたなべ・いっせい)2003年12月12日、神奈川県生まれ。20歳。日本航空の通信制で学びながら、神奈川のクラブチーム・BBCスカイホークスでプレーした。仙台大では1年春からリーグ戦のマウンドに上がったが、昨年はけがのため登板なし。今春は6試合4勝0敗、防御率0・27。全国大会は1年秋の明治神宮大会を経験。170センチ、70キロ。左投左打。