【桧山進次郎】大事なポイント抑える7勝才木浩人は10勝の価値 交流戦残り7戦3勝4敗でもOK

AI要約

才木浩人投手が7勝目を挙げ、阪神は3-0で西武を下す

才木の投球は大事なポイントを把握し、無失点を守る安定感が光った

阪神の交流戦残り7試合は重要で、3勝4敗でも再開リーグ戦に向けての良い位置に立てる

【桧山進次郎】大事なポイント抑える7勝才木浩人は10勝の価値 交流戦残り7戦3勝4敗でもOK

<日本生命セ・パ交流戦:阪神3-0西武>◇9日◇甲子園

 現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(54)が甲子園で試合をチェック。試合の大事なポイントを把握して0を並べ、両リーグ最多の7勝目を挙げた才木浩人投手(25)の投球に10勝分の価値があると絶賛しました。また、阪神の交流戦残り7試合は、3勝4敗でも貯金2で再開リーグ戦に向かえると戦いを指南しました。【聞き手=松井清員】

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 毎度毎度になりますが、今回も才木さまさまですね。調子の出ない西武相手に、先制点さえ取ってしまえばという試合でしたが、変化球も多彩な先発渡辺からチャンスはつくっても点が取れない。重苦しい展開で進みましたが、才木も5回1死二塁のピンチを耐えたり、要所で踏ん張りました。仮に西武に先制を許していると、流れが相手に行きかねなかったと思います。

 才木に改めて感じたのは、ゲーム中の大事なポイントを把握して、そこをしっかり抑え切る強さです。味方が6回無死一、二塁の好機を逃して、いやなムードが漂った直後の7回は、相手の中軸にギアを上げて3者凡退。その裏、均衡を破る3得点を呼び込みました。直後の8回も1死三塁のピンチを背負いましたが後続を断ち、3点リードを守りました。2点差になっていれば、9回もいやな雰囲気が残っていたでしょう。

 大事なポイントを理解して、ゲームの中で強弱をつけられるから1-0でも勝てる。貧打のチームを救ったり、連敗を止めたり、才木の白星には7勝以上、10勝分の価値があると思います。3連勝で西武戦の貯金が3か、2勝1敗で貯金1かでは大違い。ノーヒットノーランは残念でしたが、足をつっていなければ達成できたのではというほど全てが抜群の安定感でした。

 阪神の交流戦ラストは5連勝と勢いに乗るオリックス、パ・リーグ首位のソフトバンクとの6連戦。前回連敗した日本ハム戦も1試合あり、難敵ぞろいです。この7試合を4勝3敗でいけば貯金4の御の字で、3勝4敗でも貯金2で再開リーグ戦に向かえます。打線は2番前川が機能して「3点目」が取れるようになってきました。つなぎもでき、引っ張って進塁打も打てるので代える必要はないと思います。簡単に点は取れないでしょうが序盤にリードを奪い、投手陣を楽にさせたい大事な7番勝負です。(日刊スポーツ評論家)