脚のむずむず、油断大敵 患者の3割が抑うつ状態 滋賀医大が分析

AI要約

レストレスレッグス症候群(RLS)は、脚がむずむずして動かしたくなる衝動を引き起こす感覚運動障害で、睡眠障害を引き起こすことがあります。

RLSは女性に多く、全世界の有病率は約7%で、日本では1~4%です。症状は安静時に悪化し、うつ病との関係も指摘されています。

研究によると、RLS患者の30.4%がうつ病を含む抑うつ状態にあり、睡眠障害やドーパミン神経系の異常が原因と考えられています。

脚のむずむず、油断大敵 患者の3割が抑うつ状態 滋賀医大が分析

 不快感で脚がむずむずして動かしたくなる衝動にかられる「レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群、RLS)」という病気がある。夕方から夜にかけて悪化する傾向があり、睡眠を妨げられる患者も多い。患者の約3割が、憂鬱(ゆううつ)な気分になって気力を失う「抑うつ状態」を併せて抱えていると、滋賀医大などの研究チームが、日本を含む世界の24件の研究を解析し、睡眠医学誌に発表した。

 RLSは女性に多い感覚運動障害で、全世界の有病率は約7%。糖尿病や透析患者で合併する人も多く、喫煙や飲酒、運動不足など生活習慣との関連も指摘されている。日本での有病率は1~4%と世界全体よりは低い。だが、安静時に症状が悪化し脚を動かすことで緩和するものの、夜に症状が出ると睡眠が妨げられ、精神的な苦痛も大きい。神経系の異常という点でうつ病との関係が注目されている。

 研究グループは、医学論文のデータベースから「RLSとうつ病」に関する検索をし、解析データが使える日本などアジアを中心にした24研究について総合的に評価した。

 全体の患者数は2039人(平均51歳、女性が64%)。分析の結果、30.4%がうつ病を含む抑うつ状態だったと明らかになった。合併率が高い背景には、睡眠障害の影響や、うつ病と共通するドーパミン神経系の異常が考えられるという。一方、うつ病と抑うつ状態の重症度に、患者の年齢やRLSの罹病(りびょう)期間、発症年齢などとの関連は統計上、見られなかった。