「1週間」で「1カ月分」売れた! 書店の〝嬉しい悲鳴〟の理由は…3代続く店の秘策

AI要約

大阪市鶴見区にある「正和堂書店」がデザインの力で売り上げ増に成功し、牛乳石けんとのコラボも話題に

書店ではオリジナルのブックカバーをプレゼントしており、20代から40代の女性を中心に人気を集めている

牛乳石けんとのコラボ企画が好評で、夏休み期間に1週間で1ヶ月分の文庫本が売れ、地域コミュニティに活気をもたらしている

「1週間」で「1カ月分」売れた! 書店の〝嬉しい悲鳴〟の理由は…3代続く店の秘策

1週間で1カ月分の文庫本が売れた――。全国で書店が減っていく中、そんな「嬉しい悲鳴」を上げた書店があります。デザインの力で、書店の盛り上げに一役買っている書店に話を聞きました。(withnews編集部・金澤ひかり)

《なんと!

夏休みの1週間で、前年の1ヶ月の文庫本が売れました

近隣のみなさんはじめ、帰省ついでに、旅行の目的にまで..

生活圏外からもたくさんご来店いただき、ほんとうにありがとうございました

夏の読書、楽しんでいただけていると嬉しいです》

つぶやいたのは、大阪市鶴見区にある「正和堂書店」です。3代続く書店を、現在は兄弟で切り盛りしています。

この書店では、2017年からスイーツや文具などをモチーフにしたオリジナルのブックカバーを作成し、来店し本を購入したお客さんには1冊につき1枚のブックカバーをプレゼントしています。

デザインを担当する、兄の小西康裕さんがこれまで世に出したデザインは70以上。「四角の中にデザインを収める苦労はあります」としつつ、ブックカバーのファン層である、20代から40代の女性が好みそうなものをイメージしながら作っています。

実は7年以上、ブックカバーのプレゼントは続けていて、何度もSNSでの「バズ」を経験しています。

では、なぜこの夏、文庫本の売り上げが伸びたのでしょうか?

聞くと、今年は地元企業でもある牛乳石けん共進社(本社・大阪市城東区、「けん」は漢字)とのコラボがあったといいます。

牛乳石けんの工場は、正和堂書店と同じく鶴見区にあり、城東区にある本社にも「歩いていける距離」だといいます。

コラボのきっかけは昨年、小西さんが地元で配布されていた牛乳石けんの写真とともに「いつかコラボできたらいいな」とXでつぶやいたこと。フォロワーからも「ほしい」という声が聞かれ、それをみた牛乳石けんから連絡を受け実現したのだそう。

1回目のコラボは昨年実施。1千枚用意したところ、半日ですべて出払ってしまうほどの人気でした。

今回のコラボでは、1回目のデザインにもあしらった、「『積ん読』のイラストの本を少し増やしてみました」と遊び心ものぞかせます。さらに、ブックカバーとセットのしおりからは、牛乳石けんのにおいがするような工夫もしました。

お盆に配布を開始し、今回は2千枚の用意が1週間でなくなりました。

小西さんは「この夏の伸びは、牛乳石けんとのコラボはじめ、インフルエンサーの方の発信など複合的なものだと思います」と喜びます。