奥歯のかみ合わせの悪化、歯を失うリスクが最大6倍に 10万人調査

AI要約

75歳以上のお年寄りで奥歯のかみ合わせが悪いほど歯を失うリスクが高く、最大6倍になることが大阪大学の研究で明らかになった。

奥歯のかみ合わせが悪いと残っている歯に負担がかかり、歯を失いやすくなるという結果が示されたが、これまでの研究では検証されていなかった。

研究チームは約10万人を対象に調査し、奥歯のかみ合わせと歯の損失の関連性を明確にした。

奥歯のかみ合わせの悪化、歯を失うリスクが最大6倍に 10万人調査

 75歳以上のお年寄りで奥歯のかみ合わせが悪いほど歯を失うリスクが高く、最大6倍になると、大阪大などの研究チームが10万人近くを対象にした調査で明らかにした。

 研究チームの豆野智昭・阪大助教(高齢者歯科学)は「奥歯は食事のためだけでなく、残っている歯を守るためにも重要。かみ合わせの悪い人は重点的に予防対策をする必要がある」と指摘している。

 奥歯のかみ合わせが悪いと、残っている歯への負担が増し、歯を失いやすいと臨床現場では実感されていたが、残る歯のさまざまなパターンを考慮した大規模な追跡調査はこれまでなかった。

 研究チームは、大阪府歯科医師会などの協力をえて、同府内に住み、2018~20年に歯のチェックを受けた後期高齢者9万4422人(すべての歯がない人や、1本でもインプラントがある人を除く)を、平均2.2年にわたり追跡。全体の3分の1近くの3万1008人が1本以上の歯を失っていた。歯周病や、歯の磨き具合、喫煙習慣、体格指数(BMI)など、ほかのリスクの影響を取り除く手法で分析した。

 歯のかみ合わせは、奥歯や前歯の状態から9パターンを想定。28本(奥歯16本、前歯12本)すべての歯がそろっているケースに比べて、奥歯のかみ合わせが悪くなっていくほどに1本以上の歯を失うリスクが上がり、最大6倍となった。奥歯のかみ合わせが全く機能していない人たちでは最大46%が1本以上の歯を失っていた。