白亜紀のワニ、恐竜を食べた?  歯の化石、痕跡から推定 早大など

AI要約

早稲田大と東京大、久慈琥珀(こはく)博物館は、約9000万年前の地層から見つかったワニの歯の化石を分析し、カメや恐竜を餌として食べていた可能性があることを発表。

早大と東大の研究チームは、久慈市での発掘活動で30種以上の脊椎動物の化石を見つけ、歯の化石を発見した。

東京大の研究チームは、歯の形状から硬い骨を持つ動物を食べていた可能性が高いことを示唆しました。

 早稲田大と東京大、久慈琥珀(こはく)博物館は11日、岩手県久慈市にある約9000万年前(白亜紀後期)の地層で見つかったワニの歯の化石の分析などから、カメや恐竜などを餌として食べていた可能性があることが分かったと発表した。

 早大の平山廉教授らは2012年以降、琥珀の産地として知られる久慈市内の「久慈層群」と呼ばれる地層の発掘調査を継続。これまでに恐竜やカメ、ワニなど約30種、3200点以上の脊椎動物の化石を見つけている。

 今回の歯の化石は17年7月、平山教授が理事長を務める「平山郁夫シルクロード美術館」(山梨県北杜市)で開かれた化石発掘体験イベントで、参加者の親子が久慈層の土の中から見つけた。

 東京大の久保麦野准教授らは、歯の表面形状を3次元でデジタルデータ化し、傷の深さなどから食べていた餌の硬さを推測。現生ワニにさまざまな硬さの餌を与えて歯を測定した結果と比較したところ、魚よりも硬い骨を持つ動物を食べていたことが判明した。

 久慈層で見つかった仲間のワニの背骨などの大きさから、3メートル近い体長があったと推定されることを踏まえ、この地層から多数出土しているカメや恐竜を食べていた可能性があると結論付けた。