奈良・橿原市指定文化財に沼山古墳 渡来系氏族の有力者の墓

AI要約

奈良県橿原市白橿町にある沼山古墳は、古墳時代後期の渡来系氏族の有力者の墓とされる。直径18メートルの古墳は、高さ5・3メートルの天井を持つドーム状の石室であり、副葬品も豊富に出土している。

沼山古墳周辺には同様のドーム状石室を持つ真弓鑵子塚古墳や与楽古墳群などがあり、いずれも東漢氏の墓とされる。沼山古墳も飛鳥地域を拠点とした東漢氏族との関連性が指摘されている。

橿原市は市内唯一の渡来系氏族の墓として沼山古墳を市指定文化財に指定し、保存活用を図っている。ただし、石室内への立ち入りはできない。

古墳時代後期の渡来系氏族の有力者の墓とされる奈良県橿原市白橿町の沼山古墳(6世紀後半、直径18メートル)について、同市が市指定文化財(史跡)に指定したと発表した。指定文化財は市内では23件目となる。

同古墳は、被葬者を納めた横穴式石室(全長9・5メートル)の天井が5・3メートルと高く、ドーム状になっているのが特徴。副葬品も、炊飯具を模したミニチュア土器や金銅製馬具などが出土している。

沼山古墳から1キロ圏内には、同様のドーム状の石室や副葬品をもつ真弓鑵子塚(かんすづか)古墳(同県明日香村)や与楽古墳群(同県高取町)があり、いずれも飛鳥地域を拠点とした渡来系の東漢(やまとのあや)氏の墓とされることから、沼山古墳も同氏族との関連が指摘されている。

市文化財保存活用課は「飛鳥に定着した渡来系氏族の墓として、市内唯一である点から指定文化財にふさわしい」としている。石室内は立ち入りができない。