小学生でも解けるらしい…では「169x+117y=13の整数解は?」に答えられますか

AI要約

数学を納得して理解するには、小学校から高校まで学ぶ算数・数学のうち、とくに押さえておくべき「重要キーワード」を一つひとつ理解して、体系的・構造的に学ぶことが大切です。

本来は、生活経験や体験によって得られた知識をベースにした素晴らしいな思想体系であり、学生のころに新鮮な気持ちで学ぶことが数学の本質に迫る「近道」といえます。

ディオファントスは古代ギリシャの数学者であり、古代ギリシャの文化がローマによって滅ぼされた後も、アラビアを経て中世のルネサンス期に古代ギリシャの文化が復興し、今日の科学文明に繋がることになりました。

なるほど! そうだったのか、数学。

数学を納得して理解するには、小学校から高校まで学ぶ算数・数学のうち、とくに押さえておくべき「重要キーワード」を一つひとつ理解して、体系的・構造的に学ぶことが大切です。

いまや、数学は、受験対策などの交換価値や、便利な道具として使用価値の有無ばかりが強調されるようになってしまいましたが、本来は、生活経験や体験によって得られた知識をベースにした素晴らしいな思想体系です。そして、その思想は、小学校の算数という初歩の段階から、しっかり流れ続けているのです。

学生のころに新鮮な気持ちで学んだ算数や数学を、いまふたたび深めることこそ、数学の本質に迫る「近道」といえるでしょう。

好評の『なっとくする数学記号』(ブルーバックス)の著者にして、数学教育を知り尽くした専門家による「学びなおし」の決定版『学びなおし! 数学 代数・解析編』。そこで取り上げた数学を理解する29のキーワードから、さらに厳選したトピックをご紹介していきます。

今回は、その名を、方程式の名称に残すギリシャの数学者ディオファントスについてご紹介しましょう。もちろん、「問題」もあります。

*本記事は、『学びなおし! 数学 代数・解析編 なっとくする数学キーワード29』(ブルーバックス)を再構成・再編集したものです。

前回の記事でご紹介したユークリッド互除法を使うのは古代ギリシャに限ったことではなくて、中国では『孫子算経』(300~500年頃)の中に中国剰余定理というのがあります。またインドの『アーリヤバティーヤ』(499年)という本にも見られる

ということです。どのように伝わったかは不明ですが、有用な方法であったわけです。

250年頃にエジプトのアレキサンドリアで活躍した古代ギリシャの数学者ディオファントスは、生没年不詳で、「代数学の父」と呼ばれています。

ディオファントスの書物は13巻からなるようですが、初めの6巻のみが伝わっており、そこでは多くの問題が系統的に配列されて、理論的な説明がされており、彼は最初の本格的な代数学者だったといわれています。

ディオファントスが、古代ギリシャの偉大な数学者たちの最後の一人だといわれるのは、ギリシャ文化を継承したローマ帝国が4世紀にキリスト教を受容して、ギリシャの学問は異教徒的だとみなされたからです。その結果、かの有名な、巨大な知の拠点だったエジプトのアレキサンドリア図書館が焼き払われ、古代ギリシャの文化と学問が滅びてしまいました。

しかし、ひそかにローマを逃れた人々によって、アラビアに伝わり、中世のルネサンス期になって、古代ギリシャの文化は復興します。そうして今日の科学文明に繫がっていくのです。

『ギリシャ詞華集』の第7巻にあるディオファントスの墓碑銘は次のようになっているそうです。

一生の1/6を幼年時代、1/12を青年時代として過ごし、さらに1/7を経て結婚し、5年後に息子が生まれ、その子が父の生涯の半分に達したときに死亡し、その後4年間だけ生きた

さて、ディオファントスは何歳まで生きたのでしょうか?

(答え:84歳)

最後に、小学生も解くという不定方程式に挑戦してみてください。