素数が「無限に続く」ことを証明できますか?...2000年以上発見されなかった「小学生でも」納得できる「簡単な」方法

AI要約

素数と合成数についての基本的な説明。

エラトステネスの篩を使って100未満の素数を列挙する方法。

2から100未満の整数から、素数を見つける手順を説明。

素数が「無限に続く」ことを証明できますか?...2000年以上発見されなかった「小学生でも」納得できる「簡単な」方法

食塩水の濃度や往復の平均速度など、仕事などでちょっとした算数の知識が問われる場面に出くわして、ドキッとしたことはないだろうか。「昔は解けたのに……」、そう思うのに解けない。そんな大人たちは本連載で今一度、算数を基礎から学び直してみてはどうだろう。

長年、算数・数学教育に携わってきた桜美林大学名誉教授・芳沢光雄氏の新刊『大人のための算数力講義』(講談社+新書)より抜粋して、「算数の重要な考え方」をお届けする。

『大人のための算数力講義』連載第24回

『小学生は知っている「0.777…」「0.191919…」循環小数を分数に直すやり方』より続く

6は1、2、3、6で割り切れるが、7を割り切る自然数(正の整数)は1と7だけである。

7のように、1とそれ自身以外では割り切れない2以上の自然数を素数という。なお、1は素数には含めない。

素数を小さいほうから列挙していくと、

2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23……

となる。

また、素数でない2以上の自然数を合成数という。合成数を小さいほうから列挙していくと、

4, 6, 8, 9, 10, 12, 14, 15, 16……

となる。

整数mに対し、mの約数となる素数pをmの素因数という。3は12の素因数、5は30の素因数である。

素数のリストを作ろうとするとき、ここで紹介するエラトステネス(紀元前275-前194)の篩(ふるい)の方法は素朴で素晴らしいものである。

この方法で100未満の素数の表を作ってみよう。パソコンを使うと、この方法で相当大きな素数表も作ることができる。

準備として、2以上100未満の整数mが素数でないとする。mの素因数のうちで一番小さいものをpとすると、mはp×p以上になる。

そこで、pが10より大きいならば、mとp×pは100より大きくなってしまうので矛盾である。したがって、pは10未満の素数となり、pは2,3,5,7のどれかになる。

つまり、2以上100未満の整数で素数でないものは、2,3,5,7のどれかを素因数としてもつ。それゆえ、2,3,5,7のどれでも割り切れない2以上100未満の整数は、必ず素数になる。

以上から、次のことが分かる。

下のように2以上100未満の整数の表を書いて、2以外の2の倍数全部を線で消す。続けて、 3以外の3の倍数全部、5以外の5の倍数全部、7以外の7の倍数全部も線で消す。

すると、線を引かれずに残った整数は以下の通りとなる。

2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97

これらが100未満の素数全部なのである。