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「物を透視」する技術が世界を変える?「埋蔵金探査」で依頼も? “数学の天才”木村建次郎の頭脳と野望は
応用物理学者で神戸大学教授、木村建次郎氏が透視技術による世界初の発明を生み出している。
数学の未解決問題「波動散乱の逆問題」の解明により、木村氏は素晴らしい発明を実現し、スーパーコンピューターですら解明できなかった問題を解決した。
木村氏の発明の一部である危険物を透視するセキュリティゲートは、危険物だけを透視することが可能であり、実証実験では非常に高い精度を示している。
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「エジソンに憧れている。カッコ良すぎる、大好き」
こう語るのは、応用物理学者で神戸大学教授、スタートアップ「IGS」代表の木村建次郎氏。“数学の天才”とも称される彼が研究しているのが、見えるはずのないものを透視する技術だ。魔法のようなテクノロジーで、世界初の発明を次々生み出しているという。
それができた背景にあるのが、数学の未解決問題「波動散乱の逆問題」の解明。未知のものに対し外から波動を送り込むと、ぶつかった波の跳ね返りが発生する。その波を観測・計算する事で、物体の位置や形を導き出せるのでは、という問題だ。世界中の数学者が挑み続けた難問を、木村氏が初めて解き明かした。
ノーベル賞候補とも言われる木村氏の頭脳と野望に、『ABEMA Prime』で迫った。
解明した透視の仕組みについて、木村氏は次のように説明する。
「物を見るというのは、基本的にレンズで光を絞って見るというのが一番わかりやすい。しかし今回の話はそうではなく、光を集めなくても見えるという点。例えば、竹やぶの写真を撮ると手前のものしか写らないが、実際には裏側の竹にも光が当たって返ってきている。数学の力を使ってその情報を引き出し、奥行きすべての情報を立体的に計算していくのが散乱の問題だ」
スーパーコンピューターが解明できなかった問題を、10年かけて解明した。
「博士過程の時にコンピューターの半導体を調べていた。より早く良いものを作りたいが、思ったように動かない。トラブルの原因を調べたいけれども、中が立体的にどうなっているかわからないから、調べる方法そのものを作り出す必要があると考えていた。最終的に、ある数学の問題を解かないと解決しないということにたどり着いた」
木村氏の発明品の一部を紹介する。
【発明1】危険物を透視するセキュリティゲート
従来の金属探知機はあらゆる金属に反応してしまうが、危険物だけを透視することができるという。実際にパソコンなどが入ったカバンで検証すると、普通ならセンサーに反応してしまうところ、異常は検知されず。次に、実験用の実物の拳銃が入ったカバンでは、「危険を検知しました」と反応した。
「拳銃が入ったことによる周りの電磁界の変化を観測して計算した結果が、コンピューターの音声に反映された」