哺乳類がおしりで呼吸できるのを発見 今年も日本にイグ・ノーベル賞

AI要約

東京医科歯科大・大阪大のチームが、哺乳類が肛門から呼吸できることを発見し、イグ・ノーベル賞の生理学賞を受賞。

ドジョウの研究から得た知見をもとに、呼吸不全の改善に成功し、日本人の受賞は18年連続。

実験でマウスに肛門から酸素ガスを注入し、哺乳類でも腸から酸素を取り込めることを確認。

哺乳類がおしりで呼吸できるのを発見 今年も日本にイグ・ノーベル賞

 人々を笑わせ、考えさせた研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の受賞者が12日(日本時間13日)に発表された。哺乳類が肛門(こうもん)から呼吸できることを発見した東京医科歯科大・大阪大の武部貴則教授(再生医学)らのチームが、生理学賞に輝いた。日本人の受賞は18年連続。

 発見のヒントになったのは、淡水魚のドジョウだ。当時、武部さんらは呼吸不全の治療法を開発するため、さまざまな生き物の呼吸方法を調べていた。

 ドジョウは、水中では一般的な魚類と同じようにエラ呼吸をしている。だが、水面上で口から空気を吸い込んで腸を介して酸素を取り込み、残った気泡を肛門から出す「腸呼吸」もできる。

 「もしかしたら哺乳類も同じように腸から呼吸ができるのではないか」。ドジョウの特性を知ったチームは、そう考えた。「手術などをせずに腸を呼吸に使うには、おしりは自然な経路だった」と名古屋大の芳川豊史教授(呼吸器外科学)は言う。

 実験で、低酸素の環境にあるマウスに肛門から酸素ガスを注入。すると、呼吸不全の改善などがみられ、生存率も大きく上昇した。哺乳類でも腸を介して酸素を取り込めることがわかったのだ。