息子の志望中学が「発達障害に手厚い私立中」から麻布中に変わったワケ 小6の12月から想定外の受験突入

AI要約

元テレビ東京アナウンサーで現在はフリーの赤平大(あかひら・まさる)さんが、発達障害とギフテッド(高IQ)を併せ持つ息子さんの子育て経験や、それを通して見えてきた発達障害支援を巡る日本の課題について語ります。

息子が中学受験を目指し、小学6年の1年間を過ごす中で、大本命の私立中Aに合格するための準備を進めていた経緯や、発達障害の子供が適した進学先が限られている現状を紹介します。

息子の進学先を決める過程で私立中Aの受験内容や難しさについて触れ、受験対策の難しさを考えるなど、発達障害の子供にとっての進学準備がどれほど厳しいものだったかを明かします。

 元テレビ東京アナウンサーで現在はフリーの赤平大(あかひら・まさる)さんが、発達障害とギフテッド(高IQ)を併せ持つ息子さんの子育て経験や、それを通して見えてきた発達障害支援を巡る日本の課題をつづります。

 「発達障害の息子が、進学塾に行かず、6年生の12月から麻布中受験を決意して合格した」と、2023年にメディアで取り上げていただいて以降、講演、研修、インタビュー、番組出演など、お話しする機会をたくさんいただきました。

 ヨミドクターをお読みの皆様には「進学塾に行かず」ではなく、実際には「発達障害のため、塾側に受け入れてもらえず」であり、「6年生の12月から麻布受験」が「たった2か月の勉強」ではないということは、ご理解いただけたと思います。

 今振り返っても、息子の頑張りは素晴らしかったと親バカながら誇らしく思います。同時に、多くの「知の巨人」の皆様とのご縁やご支援があって、中学受験を終えられたと感謝しています。

 発達障害の中学受験に限りませんが、息子の子育てを含めた実践を、発達障害動画メディア 「インクルボックス」 に反映し、視聴してもらうことで、感謝の言葉をもらう機会が増えてきました。大変微力ながら、頂いたご恩を多くの方に循環させて一人でも多くの発達障害の悩みと苦しみが軽くなってほしいと思っています。

 今回からは、発達障害の息子が具体的にどのように小学6年の1年間を過ごしたのかをお話しします。

 息子の中学進学先の大本命は「横浜にある発達障害に手厚い私立中A」と、小学5年の頃には確定していました。発達障害の息子にとって安心できる進学先の選択肢はほとんどなく、もし私立中Aが不合格になると途端に大ピンチに陥ります。

 ちなみにこの私立中Aは、息子の受験の年にすでに人気が過熱気味となっており、2024年の受験段階ではとんでもない倍率に跳ね上がっていました。そのくらい、発達障害の子供が安心して通える中学校は少ないのです。

 息子が小学3年の段階で、私は私立中Aに目星をつけていて、かなり調べていたのですが、この私立中Aの受験は筆記試験以外にも「面接」「体験学習」「行動観察」など複合的な過程を経て合否が決まるため、受験対策が難しいという難点がありました。