イーロン・マスクのスペースX、早くて6日にも巨大ロケット「スターシップ」の試験実施

AI要約

イーロン・マスク率いるスペースXは、史上最大のロケット「Starship」の4回目の飛行試験を6月6日以降に実施予定。再利用可能なロケットを開発し、宇宙へのアクセスを低コスト化する取り組みを進めている。

スターシップは120メートルの巨大なロケットで、マスクの夢である惑星間旅行を実現するためのもの。NASAの月計画にも重要な役割を果たす予定。

スペースXが目指す再利用可能なロケットにより、宇宙経済の発展や長期間の惑星間飛行が可能となる。スターシップの飛行試験は過去3回は失敗に終わっていたが、改善を重ね成功に向けて進めている。

イーロン・マスクのスペースX、早くて6日にも巨大ロケット「スターシップ」の試験実施

イーロン・マスクが率いるスペースXは、史上最大のロケット「Starship(スターシップ)」の4回目となる飛行試験を米国時間6月6日以降に行うと発表した(訳注:当初の6月5日予定から延期)。同社は、再利用可能なロケットを完成させて、宇宙へのアクセスをより低コストにしようとしている。

スペースXは、米連邦航空局(FAA)の承認を待って、早ければ6日にスターシップと「Super Heavy(スーパーヘビー)」と名付けられたブースター(推進装置)を打ち上げると発表した。同社は、打ち上げの約30分前から公式サイトやX(旧ツイッター)のアカウントで打ち上げの様子をWEB配信すると述べている。

スターシップはこれまでに開発された中で最も強力で巨大な全長120メートルのロケットだ。このロケットは、マスクとスペースXが人類を月や火星、さらにはその先へと運ぶという野望を実現するためのものであり、NASAが米国人を月に再び送り込む計画においても、このロケットが重要な役割を果たす予定だ。

同社のビジョンを実現し、宇宙経済をより広範囲に発展させる上で重要なのが、ロケットの「再利用」だ。これまでのロケットは、主に使い捨てだったことが原因で、莫大な費用がかかっていた。マスクのスペースXは、この状況を変える最前線にあり、小型ロケットで既にこの分野での成功を収めている。そして、スペースXが「長期間の惑星間飛行で最大100人を輸送できる」と述べたスターシップでこれを再現し、衛星の運搬や「月面基地の開発」の実現を目指している。

これまでの3回のスターシップの飛行試験は、いずれも炎上または墜落で終わっていた。最初の試験は、打ち上げの数秒後に爆発し、発射台が損傷した。2回目の試験では、分離直後に爆発し、同社はこれを「予定外の急速な分解」と表現した。3回目の試験では、ロケットがインド洋に墜落した。しかし、スペースXはこれらの試験を成功と評価し、そこから学んだことを基にロケットを改善している。

マスクは、Xの投稿で、スターシップの4回目の試験飛行の主な目的は「大気圏再突入時の最大空力加熱を乗り切る」ことだと述べ、「完全に再使用可能なヒートシールドの開発に成功した人はこれまでいない」ことに注目すべきだと語った。

マスクは、大気圏を通って地球に戻ってくるロケットを保護するために不可欠な「再利用可能な大気圏再突入用のヒートシールド」の開発はこれまで行われておらず、それがスペースXにとって「最大の残された課題」だと説明した。彼は、同社が「並外れた努力」によって、スターシップの再利用率を100%近くまで高めることができると述べている。