果樹園のブルーベリーを野生のウサギがモグモグ ⇒ 担当者が「大変ありがたい」と感謝する理由とは?

AI要約

北海道のとある農園でブルーベリーの収穫を手伝う野生のエゾユキウサギが撮影される。

農園ではウサギが果実を食べることをありがたく思い共生を選び、様々な利点を見出す。

農業と野生動物の共生例として、人間も野生動物も無理せず共存できる環境が素晴らしいと感じられる。

果樹園のブルーベリーを野生のウサギがモグモグ ⇒ 担当者が「大変ありがたい」と感謝する理由とは?

北海道のとある農園にて、ブルーベリーの収穫をお手伝いする(?)野生のエゾユキウサギの姿が撮影されました。

育てたブルーベリーを食べられてもウサギを追い払わずに共生している理由を知ると、ほっこりとあたたかな気持ちになります。

7月23日にX(旧Twitter)にこちらの動画を投稿したのは、北海道美瑛町にてハスカップとブルーベリーの生産・加工・販売を行っている「びえいハスカップファーム」(@haskapfarm)さん。

動画を見て、育てたブルーベリーを野生動物に食べられてしまったら大損害なのでは?と思った方もいることでしょう。

しかし投稿主さんは、ウサギがブルーベリーを食べてくれるのは「大変ありがたいこと」なのだといいます。

というのも、ウサギが食べている下の方にある果実は雨の跳ね返りなどで汚れてしまうため、商品として出荷しないのだそうです。

しかし出荷しないからといって収穫せずに放置すると実が腐ってしまい、病害虫の影響を受けたり、スズメバチが寄ってきてしまったりするため、本来なら全て収穫して廃棄しなければならないのだとか。

とはいえ低い位置にあるブルーベリーを人の手で摘み取ろうとすると、とてつもない労力が必要です。

労働力も時間も足りずに困っていたびえいハスカップファームさんでは、野生のエゾユキウサギが下の方にあるブルーベリーを食べている姿を見て、「これだ!」と思ったのだそうです。

もちろんウサギが全ての廃棄するブルーベリーを食べてくれるわけではありません。

しかしびえいハスカップファームさんでは収穫の手間や廃棄を少しでも減らせること、ウサギのフンが良質な肥料になってくれること、細かい枝をかじって自然と果樹を剪定してくれることから、ウサギを追い払わずに共生・共存する道を選んだのだそうです。

――ウサギは逃げる様子もなくブルーベリーを食べていますが、大体どのくらい距離があったのでしょうか。

「距離は10メートルくらいです。彼らに意識しないように近づけばいつも大体同じ位の距離で撮影できます」

――今年はウサギの数が少なめという投稿を拝見しましたが、今のところ何羽くらい見かけていますか?

「春に出現する個体は例年から比べると少なかったのですが、今現在は大体平年並みか、多少多いですね。今は常時3匹で4匹になったり5匹になったりもしています。基本的に夏は少ないのですが今年は多めです。春は同時に8匹確認した時もあります」

――ウサギと共生するため、何か気を付けていることはありますか。

「気をつけていることは特にありません。ウサギの為に生活しているわけではありませんし、普通に草刈機やトラクターなど使用しています。その都度ウサギ達は逃げますけど、またすぐに元に戻ってきますね。自分達が仕事をしやすい環境を作った結果、ウサギ達にも過ごしやすい環境だっただけだと思います」

「基本的に世間一般では野ウサギは害獣としての位置にいますが、うちの農園ではうさぎ達が現れてから被害という被害は確認していません」

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農業と野生動物はどうしても対立しがちで、動物を駆除しなければならない場面も少なくありません。

そう簡単な話ではありませんが、びえいハスカップファームさんのように人間も野生動物も無理せず共生・共存ができる環境が増えたらいいな、そんな風に思った方もいるのではないでしょうか。