「官民癒着により競争を歪めた」尾道市の道路改良工事の入札を巡る事件 元市職員と建設会社の元社長に有罪判決 広島
尾道市の道路改良工事の入札を巡る官製談合事件で、広島地裁は市の元職員と建設会社の元社長に有罪判決を言い渡しました。
元市職員は建設会社に入札金額入りの設計書を渡し、工事を落札させた見返りに現金を受け取っていたことが判明。
判決では官民癒着を批判しつつも、懲役刑の長さについて考慮が示されました。
尾道市の道路改良工事の入札を巡る官製談合事件で、広島地裁は市の元職員の男と建設会社の元社長の男に、有罪の判決を言い渡しました。
判決によりますと、元・尾道市建設部土木課の専門員・高橋宏和被告(52)は、23年、当時建設会社の社長だった大崎一義被告に、2件の道路改良工事の入札に関する金額入りの設計書を渡し、それを基に大崎被告が工事を落札。その見返りとして大崎被告が高橋被告に2度、現金3万円を渡しました。
20日の判決で、広島地裁の石井寛裁判長は、「官民癒着により競争を歪め、自己の利益を優先したその態度は強く批判されるべき」と指摘。
一方、「公務員側が賄賂を要求したものではなく、その金額も高額とはいえない」などとして、高橋被告に懲役2年6か月、執行猶予4年(追徴金6万円)、大崎被告に懲役1年6ヶ月、執行猶予3年を言い渡しました。