沖縄、狂犬病の予防接種率52% 全国ワースト続く 県「必ず接種して」

AI要約

沖縄での狂犬病ワクチン注射率が全国最低であり、県当局が予防接種呼びかけを行っている。

狂犬病は治療法がない重大な病気であり、予防接種や登録義務がある。

沖縄の飼い犬登録数や注射率のデータ、各市町村の状況、犬による被害の統計が示されている。

沖縄、狂犬病の予防接種率52% 全国ワースト続く 県「必ず接種して」

 飼い犬の狂犬病を予防するワクチンの沖縄での注射率は全国最低が続いており、2023年度も52・2%にとどまった。県薬務生活衛生課は28日の世界狂犬病デーを前に接種を呼びかけている。

 狂犬病は、発症すると有効な治療法がなく、ほぼ100%が死ぬ。狂犬病予防法は年1回の予防注射や、鑑札と注射済票の飼い犬への装着を義務づけている。

 県によると、狂犬病のまん延防止には、犬への予防接種率70%以上が必要という。全国の注射率は、その70%程度で推移しているが、沖縄は50%前後と極端に低い。

 23年度の、沖縄での飼い犬の登録は6万3141匹。市町村別では、登録数101匹の南大東村が注射率100%を唯一達成した。本部町は25・9%でワースト。今帰仁村、名護市が40%を割り込んだ。

 犬にかまれる被害は23年度、97件の届け出があった。飼い犬による被害は85件だったが、そのうち37件は予防注射をしていなかった。

 同課は那覇市の県立図書館で狂犬病に関する資料を30日まで展示。周辺諸国で狂犬病が発生する現状を踏まえ「沖縄でいつ発生してもおかしくない。予防注射を必ずしてほしい」と呼びかける。

(宮沢之祐)