約130人が乗っても安全か…大型津波シェルターの公開実験 海上に浮いて津波にのまれず避難へ

AI要約

静岡市清水区の会社が大型津波シェルター「SAMメガフロート」を開発し、120人以上が乗ることができる。津波から身を守るために利用され、簡易トイレも設置されている。

2011年の東日本大震災を契機に、津波対策が加速。死者の9割以上が津波による溺死だったことから、安全な避難場所が必要とされている。

静岡県では南海トラフ巨大地震に備えてさまざまな対策が進められており、津波避難タワーや防潮堤、避難ビルなどが整備されている。

約130人が乗っても安全か…大型津波シェルターの公開実験 海上に浮いて津波にのまれず避難へ

巨大地震が発生した時に津波から身を守るため、静岡市清水区の会社が120人以上が乗ることができる大型のシェルターを開発しました。地震が来たらすぐに乗り込むことで津波にのみ込まれず避難できるということです。

伊藤渚紗 記者:

こちらが今回新たに開発されたメガフロートです。約120人を乗せ、地震発生時に津波から身を守ることができ、このように簡易トイレも設置されています。

9月18日に公開されたのは静岡市清水区の小野田産業が地元の大学などと共同で開発を進めてきた大型津波シェルター「SAMメガフロート」です。

8メートル四方の発砲スチロール製で、これまでの8人用から大幅に収容人数を増やし120人以上が乗ることができます。

普段は沿岸部の公園などに置かれ、津波が襲う前に乗り込むことで上昇する海面の上で浮きながら安全に避難することが可能だということです。

小野田産業・小野田良作 会長:

地震がありましたよね、あの東日本大震災。あの津波を見て、(静岡でも)ありうるじゃないですか。その時に逃げ場所がない、やはり逃げ場所を作りたい。メディアも「安全な場所に避難してください」と言うじゃないですか。その安全な場所を提供するという意義がある

こうした津波対策が加速したのはあの日がきっかけでした。

2011年3月11日に発生した東日本大震災。死者は1万5900人、今も行方不明者は2520人に上っています。

死者の9割以上が「溺死」、津波により命を落としました。

東西に長い海岸線を持つ静岡県。

想定される南海トラフ巨大地震では早いところでは数分で津波の第1波が押し寄せると想定されています。

県の想定で死者は最大10万5000人。うち、9万6000人が津波に伴う犠牲者です。

どうやって家族を、街を守ればよいのか。震災後、県内ではさまざまな対策が進められました。

各地に整備が進む防潮堤。

完成した津波避難タワーは117カ所。

命山などの避難マウンドは18カ所となっています。

コンクリート造りの避難ビルの指定や誘導のための看板の設置なども進みました。

沿岸部の学校には救命胴衣が供えられ、保育園の中には津波避難の救命艇を購入するところもありました。