開店・閉店…書店をめぐる話題 「最大級」書店消える 「町唯一」書店新築オープン

AI要約

宇都宮にある大型書店が閉店し、地域の書店の衰退が進んでいる一方、益子町には新しく書店がオープンする動きも見られる。

喜久屋書店宇都宮店は2005年にオープンし、ピーク時には北関東最大級の規模であったが、閉店することになった。ネットの普及や人の流れの変化が撤退の原因と指摘されている。

一方、添谷書店は明治34年に創業し、新しい店舗をオープンする決断をした。31歳の添谷恭平さんは、街の書店の重要性を感じ、新たな再スタートを切る決意を示している。

特集です。書店の数が減っている、自治体によってはひとつも存在しないというところがあるのを、とちぎテレビでは以前特集でお伝えしましたが、9月は書店の開店、閉店が各地であります。再び取材しました。

宇都宮二荒山神社前、MEGAドン・キホーテ宇都宮店にある喜久屋書店宇都宮店は、9月30日に閉店することになりました。2005年3月オープンで、当時は中心市街地には大型書店が多く誕生し、とちぎテレビでも「宇都宮書店戦争」と題して特集を組みました。喜久屋書店は「北関東最大級」を誇っていました。

(品田洋道店長)「県内では一番の大きさと冊数を今も誇っている。役目は果たせた」

ピークの2008年頃は来店客が月に8千人、年間の売上は3億円を計上しました。(品田洋道店長)「撤退の原因は『ネットの普及』と言われるが、立地で及ばなかった。人の流れが街なかから減ってきていた」

売り場面積3千平方メートル、扱う書籍は32万冊。売りは「専門書の豊富さ」で、開店当時からの従業員は「常連客が多く、(撤退で)手に取って専門書を見る機会が少なくなるという声をよく聞きます」と話します。

一方で新しく動き出す書店もあります。益子町に1軒という新刊書店、添谷書店は現在地の向かいに新築の店を9月18日にオープンします。本の引っ越し作業が佳境を迎えていました。

創業、明治34年(1901年)。今の店舗は昭和37年生まれ。5代目店主、31歳の添谷恭平さんが重要な決断をしました。(添谷恭平さん)「気持ちは継ぎつつ新しい再スタート切りたい」

添谷さんは40年以上使ってきた本棚を、自ら色を塗り直して新しい店舗でも使うことにしました。2階にはロフトのような天井の低いスペース。子どもたちが絵本などに親しんでもらえるよう、広いスペースをとりました。

街の新刊書店は全国的に減っています。しかし添谷書店は創業123年目の9月18日、新しいスタートを切ります。(添谷恭平さん)「町で1店、誰かしらはやらなくてはいけないという自負はある。町のインフラとして1日でも長く営業できるように頑張りたい」