富大病院システム障害 外来診療が終日中止 電子カルテ使えず

AI要約

富大附属病院で電子カルテシステムの部品故障により外来診療が終日中止となり、約1500人が診察を受けられなかった。

システム復旧には9時間半を要し、病院は緊急性のある患者には対応したが、手術や救急車の受け入れに影響が出た。

復旧後、富大附属病院は謝罪と共にシステム障害の原因と対策を公表し、個人情報の漏洩などのリスクはないと説明した。

富大病院システム障害 外来診療が終日中止 電子カルテ使えず

  ●部品故障、復旧に9時間半

 12日午前8時ごろ、富大附属病院(富山市杉谷)で、電子カルテにシステム障害が発生し、外来診療が終日中止になった。予約患者約1500人の多くが診察を受けられなかった。部品の故障が原因で、システムは約9時間半後の午後5時半に復旧した。13日以降は通常の診療体制となる。

 病院によると、電子カルテで症状や病歴を確認できず診療に支障があるため、外来診療を中止した。緊急性がある患者には、検査や薬の処方を実施した。救急車の受け入れも復旧するまで停止した。手術は緊急性のない数件を延期とした。入院患者への対応に影響はなかった。

 病院は12日、システム障害の発生をホームページで公表し、予約日の変更や他の医療機関の受診などを呼び掛けた。復旧後には「多大なるご迷惑をおかけし、おわび申し上げる」と告知した。

 病院によると、緊急点検の結果、電子カルテシステムの同じ機能を持つ部品のペアが同時に故障したことが分かった。発生確率は年間0・0086%という。システム納入業者の富士通(川崎市)と復旧作業を進めた。システムは外部と接続しておらず、個人情報の流出やウイルス感染、サイバー攻撃の可能性はない。

 富大附属病院は2004年に電子カルテを導入し、これまで目立ったトラブルはなかった。県内で唯一、高度医療を担う特定機能病院となっている。

 電子カルテのシステムを巡っては、全国各地の病院でトラブルが起きている。昨年12月には広島大病院で機器の不具合によりシステムが使用できなくなり、外来診療を中止した。身代金要求型コンピューターウイルス(ランサムウエア)のサイバー攻撃を受けて、システムが使えなくなるケースも確認されている。