モットーは「母親と赤ちゃんが主役」地域唯一の産める助産院 ユーチューブでも情報発信

AI要約

新宮美紀さんが舞鶴市で唯一の分娩ができる助産院「みき助産院」を17年前に開業し、母親と赤ちゃんを主役に置いた手厚いケアを提供している。

産後ケアにも重点を置き、舞鶴市での産後ケア事業が始まった際に利用が増加し、助産院でも取り入れた結果、月に10件ほどの利用がある。

助産師の仕事をより知ってもらうために情報発信を行い、ユーチューブチャンネルを開設し、お産技術や女性の健康に関する動画を定期的に投稿している。

モットーは「母親と赤ちゃんが主役」地域唯一の産める助産院 ユーチューブでも情報発信

 京都府舞鶴市喜多に、府北部で唯一分娩(ぶんべん)ができる助産院「みき助産院」を開業して17年目を迎えた。現在、年間5~10件ほどのお産を受け持っている。

 新宮美紀さん(54)。舞鶴市出身で、母の「資格をもったほうがいい」という勧めを受けて看護師に。地元の総合病院などで勤務する中、同僚から「自宅出産が素晴らしかった」との話を聞き、助産師資格を取得。助産院で1年間働いた後、2007年に自らも開業した。

 助産院としてのモットーは「母親と赤ちゃんが主役」という。手厚いケアを心がけ、連携する病院での検診についていったり、悩みを聞いたりし、妊婦の体調と心を整える。いつも妊婦のそばに寄り添うため、「陣痛が来ないときはママ友、陣痛が来たら助産師さんと言われた」と笑顔で話す。

 産後のケアにも重点を置く。舞鶴市では4月、出産後1年までの母子が産科医療機関などで心身の回復をはかったり、助産師などから授乳指導や育児指導を受けられる産後ケア事業が開始。1回の利用自己負担額は3500円と従来の約半額で産後ケアを受けられるようになった。

 みき助産院でも4月以降、月に4、5件だった利用が2倍の10件ほどに増えたという。

産後ケアは何か体にトラブルや悩みが起きてから利用する人が多いため、「心身ともに疲れる前に来てほしい」と呼びかける。

 命の誕生に携われる助産師の仕事をもっと多くの人に知ってほしいと、近年は情報発信に力を入れている。昨年にはユーチューブチャンネル「助産師みきさんのひまわり母ちゃん相談室」を開設し、自分が学んだお産技術や女性が健康に生きる知恵について週に1回のペースで動画を投稿している。

 みき助産院には現在11人のスタッフが所属し、うち6人は同院でお産した縁で働いている。今後について「お産の数が増えて、将来の医学生たちが自然なお産を学べる場所にしたい」と意気込む。