「嫌疑不十分は真っ白無罪とはならない」山梨県知事の現金不記載問題 不起訴を受け若狭勝弁護士に聞く 【前編】

AI要約

山梨県の長崎知事に関する現金1182万円の不記載問題で、東京地検が刑事告発を嫌疑不十分で不起訴として、12日で2週間が経過。

元東京地検特捜部副部長で元衆議院議員の若狭勝弁護士によるインタビューでは、不起訴の理由や検察の判断についてのコメントがあった。

長崎知事自らが現金を受け取っていた事実に対して、刑事告発と不起訴の背景についても議論が続いている。

「嫌疑不十分は真っ白無罪とはならない」山梨県知事の現金不記載問題 不起訴を受け若狭勝弁護士に聞く 【前編】

山梨県の長崎知事に関する現金1182万円の不記載問題で、東京地検が刑事告発を嫌疑不十分で不起訴として、12日で2週間です。

今回は元東京地検特捜部副部長で元衆議院議員でもある、いわば検察と政治のスペシャリストの若狭勝弁護士にインタビュー取材を行いました。

検察の判断、そして新たに明らかとなった知事自らが現金を受け取っていた事実に対してその見解は?(前・後編の前編)

元東京地検特捜部副部長 元衆議院議員 若狭勝弁護士:

「証拠が十分でなかったということに過ぎない。それで不起訴としたということに過ぎない」

元東京地検特捜部副部長で元衆議院議員、検察と政治の両方の経験を持つ若狭勝弁護士。

まず、今回の長崎知事への刑事告発で東京地検が出した「嫌疑不十分での不起訴」の意味についてきくと…

元東京地検特捜部副部長 元衆議院議員 若狭勝弁護士:

「(検察が)不起訴にする場合というのは、疑いとすれば政治資金規正法違反がありうるんだけれど」

「あくまで起訴して処罰するに足りる証拠が十分でなかったということであって、それでやむなく不起訴にせざるを得なかったというパターンであることが多い」

長崎知事の資金管理団体が、2019年に自民党二階派からの現金1182万円を政治資金収支報告書に記載せずに失念したとして、およそ5年間事務所の金庫に保管していた今回の問題。

長崎知事は不起訴処分から1週間後の知事会見で県民からの反応について。

山梨県 長崎幸太郎知事:

「お話いただく方は 良かったねと、嫌疑が晴れてよかったですねということだと思います」

元東京地検特捜部副部長 元衆議院議員 若狭勝弁護士:

「不起訴の中でも『嫌疑不十分』と『嫌疑なし』の場合があるんですが、『嫌疑なし』というと真っ白、無罪みたいなものですが」

「『嫌疑不十分』という不起訴の場合は、むしろ嫌疑は依然として残っているけれど、検察として起訴するに足りる証拠が十分得られなかったということの結論を言っているに過ぎない」