「地域に根付く人が地域のために」移住者が再生したのは"人をつなぐ"複合施設 人口減の港町に見出す「場所の面白さ"と出会った人の優しさ」【現場から、】

AI要約

下田市で過疎化が進む中、移住者と地元住民が交流する施設「風まち下田」が再生された話。

津留崎鎮生さんによる施設再生の取り組みや、来訪者の声などが紹介されている。

クラウドファンディングによる運営費募集や、9月下旬のフルオープンが予定されている。

「地域に根付く人が地域のために」移住者が再生したのは

過疎化が進む下田市の話題です。下田に移住した男性が一度閉鎖してしまった施設を移住者と市民などさまざまな人の交流の場として再生させようとしています。

静岡県下田市の市街地にこの夏、一部オープンした複合施設「風まち下田」です。4階建てでテレワークや宿泊ができ、誰でも気軽に立ち寄れる交流スペースがあります。

この建物は5年前、ワーケーションの拠点として開業しましたが2023年12月、閉鎖しました。

人口減少に歯止めがかからない下田市。ピーク時には3万人以上が暮らしていましたが、2023年、2万人を割り込みました。

空き家や空き店舗が相次ぐ中、閉鎖したこの施設を復活させたのは以前、スタッフを勤めていた津留崎鎮生さんです。

東京生まれの津留崎さんは7年前に下田に移り住み、稲作をしながらライターとして移住生活の情報を発信しています。

<風まち下田 津留崎鎮生代表>

「廃校になった下田の中学校で使われていた卓球台を知人から譲ってもらった」

「風まち下田」はさまざまなニーズに応えられるよう工夫を重ねています。

<風まち下田 津留崎鎮生代表>

「シェアカフェという形で、飲食店をやってみたい、カフェをやってみたいという人に使っていただけるスペースです」

<風まち下田 津留崎鎮生代表>

「地域外の地方創生企業が運営するんじゃなくて、地域に根付く人間が運営すれば、もっと地域のためになるような運営の仕方ができるのではないか」

ドイツ人のプログラマーは1か月間、ここに滞在する予定です。

<ドイツ人 プログラマー(25)>

「働くにはいい場所です。人がたくさんいないところが好きです。下田の人はいい人で、道で会ったらあいさつをしてくれます」

愛知県出身のデザイナー、前原さんは下田とこの施設が好きになり、8月から住み込みのスタッフとして働き始めました。

<風まち下田スタッフ 前原圭佑さん(35)>

「ここの場所の面白さだったり、出会った人たちの優しさとか、キラキラしているように見えたことを今度は僕がスタッフとして発信していけたらと思っています」

<風まち下田 津留崎鎮生代表>

「下田にいたって、これだけいろんな人と出会えるんだね、そういった思いを持ってもらえたら。下田にいる若者たちに」

交流人口を増やし、移住につなげるという津留崎さんの願いが込められた「風まち下田」はこれからも進化を続けていきます。

津留崎さんは2024年、運営費の一部をクラウンドファンディングで募集し、200人近い人から支援がありました。

「風まち下田」は9月下旬にフルオープンする予定です。