世界で5万5000種、国内は3800種のカメムシ 大量発生の “不快なヤツ” …実は謎多きムシだった
世界で5万5000種、国内でも3800種が確認されているカメムシ。果樹の汁を吸い、生産者に害を与えている。
富山県では果樹カメムシ類の発生が増加し、農家にとって深刻な問題となっている。
日本には3800種のカメムシが存在し、世界には約5万5000種のカメムシがいる。
世界で5万5000種、国内でも3800種が確認されているカメムシ。この夏大量発生の“不快なヤツ”を調べると…実は謎多きムシでした。
カメの甲羅の形に似ていることから、その名がついたという「カメムシ」。
一般には何とも言えない臭いを放つ “不快なヤツ” として知られているムシですが、ナシやモモといった果実の汁を吸い、いま生産者を苦しめています。
収穫のピークを迎えているナシ「幸水」もこの様に汁を吸われ、ジャガイモのようにゴツゴツとした形に変形しています。
こうした果物の汁を吸うのは「チャバネアオカメムシ」や「クサギカメムシ」といった「果樹カメムシ類」によるものです。
■どれにも当てはまらないカメムシが…
富山県果樹研究センターなどが県内12か所で調査したところ、果樹カメムシ類の発生が過去10年で最も多い平年の12倍以上という結果が出ました。
果樹栽培が盛んな富山県魚津市で開かれたモモ農家の摘果講習会。ここでもカメムシへの注意が県の担当者から伝えられるなど危機感が強まっていました。
富山県新川農林振興センター 坂田清華さん
「カメムシって夜行性なので、日中にはあんまり見かけないですけど、日中に見かけたということは、夜にはかなりの密度が来ている可能性があります」
モモ生産者「これじゃない。これカメムシじゃない?」
富山県新川農林振興センター 坂田清華さん 「そう、カメカメ。チャバネです。あ、違う、何だろう」
このカメムシは果樹カメムシ類ではありませんでした。
富山県新川農林振興センター 坂田清華さん
「普段ここらへんにいないようなカメムシもたまに園地巡回で見かけるので “マイナー” カメムシだと思います」
■世界に5万5000種、日本だけでも3800種
そもそもカメムシはどれだけの種類が存在するのでしょうか?
カメムシに詳しい富山市科学博物館の岩田朋文学芸員に聞きました。
富山市科学博物館 岩田朋文学芸員
「これは、2015年に日本にどんなカメムシがいるかのリストがつくられたんですけど、その時の数字がこれ。世界だと、だいたい5万5000種くらい、それから日本だと3800種くらいは見つかっています」