市民団体が活用策話し合う 旧忽戸小跡地に予定の施設 南房総(千葉県)

AI要約

南房総市の旧忽戸小学校跡地にできる複合施設の活用について、市民団体が具体的な活用策を話し合うワークショップが開かれた。

複合施設は図書館とコミュニティセンター機能を併せ持ち、持続可能な地域づくりの実現を目指している。

参加者らは施設の活用方法についてアイデアを出し合い、市の運営ビジョン策定のヒントになる予定。

市民団体が活用策話し合う 旧忽戸小跡地に予定の施設 南房総(千葉県)

南房総市の旧忽戸小学校跡地にできる複合施設の活用を考える市民団体「千倉みらいプロジェクト」は21日、8回目のワークショップ(WS)を市内で開いた。約30人が、複合施設の完成後の具体的な活用策を話し合った。

南房総市の人口は、市が発足した2006年からの18年間で約1万人減り、現在は約3万4000人。年間の出生数も220人ほどから、21年は90人ほどと、大幅に減っている。

こうした大きな危機的状況の中、この団体は図書館とコミュニティセンター機能を併せ持つ複合施設を核に、地域住民らが思い描く構想を実現し、「100年後も子どもたちが笑顔で遊べる」持続可能な地域の実現を目指している。

今年初めから活動をスタート。月に一度、複合施設に関心がある住民らで集まり、WSなどを行っている。7月の開催時には市教育委員会の担当者から施設の計画内容について説明を受けた。

複合施設は、鉄骨造り平屋建て延べ約2600平方メートルで、今年10月に着工し、26年4月の開所を目指している。コミュニティセンターには、大ホール、ステージ、中会議室、和室2室、小会議室4室、調理室を整備。図書館は、約15万冊の蔵書に加え、図書閲覧室や児童コーナー、絵本コーナーを配置する。また、共用部には事務室やロビー、車いすでも使用できる多機能トイレと授乳室なども完備することになっている。

施設の建設自体は市が行うが、市は施設の運営については多くの住民らに主体的に関わってもらう方針。今回のWSは、施設の活用方法について参加者らでアイデアを出し、市が今後の運営ビジョンを策定する際のヒントにしてもらおうと実施した。

参加者らは五つに分かれてグループワーク。オンラインで外国人から料理を学ぶ料理教室や、多くの世代が交流できる市民運動会、海岸への漂着物などを活用したオブジェの製作といったさまざまな活用のアイデアが出された。

話を聞いていた市の幹部は「たくさんの楽しいプログラムがあり、話を聞いているだけでわくわくした。今回出たアイデアをさらに練っていってほしい」と感想を述べた。次回のWSは、9月18日午後6時半~、南房総市千倉町平舘の地域包括支援センター「えがお」で開催する予定。

千倉みらいプロジェクトは、フェイスブックのページを作成し、情報発信している。

(押本裕也)