LGBTQ岐阜県公認カップル「居場所感じられる社会へ/制度に感謝」 岐阜・関市で多様性シンポ

AI要約

多様性社会の理解を深める「ダイバーシティSEKIシンポジウム」が、関市で開催された。LGBTQのカップルが当事者として参加し、暮らしやすい社会について考えた。

シンポジウムは、関市がLGBTフレンドリー宣言を行った2016年から開催され、性的少数者への配慮に取り組んでいる。

中村さんと谷村さんは、市内で同居し、地域おこし協力隊員や福祉士として活動。パートナーシップ宣誓制度に感謝し、社会に貢献したいと語った。

LGBTQ岐阜県公認カップル「居場所感じられる社会へ/制度に感謝」 岐阜・関市で多様性シンポ

 多様性社会の理解を深める「ダイバーシティSEKIシンポジウム」が18日、岐阜県関市平和通のせきてらすで開かれた。昨年9月にLGBTQ(性的少数者)のカップルを県が公的に認める「県パートナーシップ宣誓制度」の第1号カップルとなった市内に住む中村文亮さん(36)と谷村祐樹さん(36)が、当事者としての思いなどを語り、参加者が誰もが暮らしやすい社会について考えた。

 シンポジウムは2016年にLGBTフレンドリー宣言をした市が、18年から開催。宣言では、性的少数者への配慮に向けた取り組みを進める。市は22年4月から県内でいち早く「パートナーシップ宣誓制度」も始めた。

 中村さんは4月から市地域おこし協力隊員として活動し、谷村さんは社会福祉士で、発達障害の子どもを支援する会社に勤務している。2人は青年海外協力隊員として活動したことをきっかけに出会い、18年から同居。今年2月から2人で市内に移住した。

 シンポジウムには市民ら約60人が参加し、2人はトークセッションで登壇。

 谷村さんは当事者を公表したことに触れ、「これまで社会を変えようと頑張っている当事者らとの出会いが多くあった。何かできることはないかと考えた」と述べた。2人が市内に移住する決め手の一つとなった同宣誓制度について、中村さんは「自分たちの存在が消えてしまいそうな気がしていた。制度には感謝しかない」と話した。

 今後について谷村さんは「これまでの経験を通じ、社会の制度の中で苦しんでいる人が多くいることを知った。全ての人が生きやすく、居場所を感じられる社会になる一助になりたい」、中村さんは「変わりゆく時代の中で何ができるか模索している。自分たちを可視化することで、何かを伝えたい」と語った。

 トランスジェンダーの登場人物らのドラマを描いた映画「彼らが本気で編むときは、」の上映会もあった。