男女2体のわら人形練り歩く 無病息災や五穀豊穣の願い込め 二戸・福田人形まつり

AI要約

二戸市福田地区で伝統の「福田人形まつり」が開催され、病気や豊作を祈願する行事が行われた。

神社を出発した人形行列が約3キロの道を練り歩き、沢口橋で男女の人形を合体させ、安比川に流して子孫繁栄を祈った。

地域の風物詩であるまつりには、多くの住民が参加し、家族連れも楽しんでいた。

男女2体のわら人形練り歩く 無病息災や五穀豊穣の願い込め 二戸・福田人形まつり

 二戸市福田地区で16日、江戸時代後期から続くとされる伝統の「福田人形まつり」が開かれた。男女2体のわら人形を住民が手作りし、台車に乗せて高清水稲荷神社周辺を練り歩きながら、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災などを祈願した。

 まつりは19世紀前半の天保の大飢饉(ききん)で疫病が流行した際、病をはらう目的で始まったとされる。地域の夏の風物詩で、お盆中に帰省した家族も参加する。人形行列はコロナ禍で中止した時期を挟み、昨年から再開した。

 この日は午前8時ごろから、多くの住民が神社に集まってわら人形を制作し、台車に乗せた。午後1時ごろに太鼓を響かせながら、神社を出発。神主を先頭に、体の悪い部分をなでて各家庭から持ち寄った南部せんべいを棒につるして運ぶ人や、子どもから高齢者まで約40人の行列が続いた。

 蒸し暑い中で水分を補給しながら途中の坂も力強く上り、約3キロの道を練り歩いた。終着点の沢口橋では、男女の人形を台車から外し、対面させるように踊らせた後で合体。安比川に流し、子孫繁栄を願った。

 家族と参加した市立御返地小1年の舘野甲さんは、「坂道がきつかったけど、頑張って歩いた。わらでちゃんと人間の形を作るのがすごい」と笑顔を見せた。