「NPO法人水辺に遊ぶ会」が中津干潟レポートを作製 10年間で新たに確認した生物232種の生息状況など紹介

AI要約

大分県中津市の市民グループ「NPO法人水辺に遊ぶ会」が、中津干潟と周辺の生物の10年間の調査結果をまとめた「中津干潟レポート2023」を作成した。

調査結果によると、過去10年間で232種の生物が新たに確認され、総数は1046種に上る。絶滅危惧種など293種も含まれる。

レポートには新たな発見や研究成果が掲載されており、干潟の魅力を広めるために活動しているという足利理事長の話もある。

「NPO法人水辺に遊ぶ会」が中津干潟レポートを作製 10年間で新たに確認した生物232種の生息状況など紹介

 大分県中津市の市民グループ「NPO法人水辺に遊ぶ会」(足利慶聖理事長)は、最近10年間の中津干潟と周辺の生物の生息状況などをまとめた「中津干潟レポート2023」(A4判、159ページ)を作製した。同様の記録冊子は10年ぶり3冊目。過去に調査した分を含め確認した生物を一覧にした目録や図録などを載せ、豊かな生態を紹介している。

 同会は中津干潟などの保全を目的に1999年発足。観察会やビーチクリーン活動のほか、保全の基礎データとするため2000年から生物の調査研究を続けている。

 レポートによると13年以降、新たに確認したのは232種。過去の分を含めた総数は1046種(動物932種、植物114種)となった。このうち絶滅危惧種などは293種で、全体に占める割合は28%と前回とほぼ変わらなかった。

 「特筆すべき種」としては▽九州初確認のシコクホソオヨコエビ▽瀬戸内海では珍しい植物ナミキソウ(シソ科)―などを挙げた。カブトガニの生息状況に大きな変化はなく、12年以降の山国川流域での大水害による影響も「感じられない」という。

 他にも地形変化や砂泥動態、アカニシ(アッキガイ科の巻き貝)を使った染色の取り組みなど研究者らによる多角的な報告や発表内容を掲載している。

 足利理事長は「13年以降も多くの新しい発見があった。魅力を増し続ける干潟についてもっと知ってもらえたら」と話した。

 レポートは市内の図書館で閲覧でき、希望者には活動拠点「ひがたらぼ」(市内東浜)で無料配布(先着100人)する。問い合わせは同会(0979-77-4396)。