“ギセル”って? 希少なカタツムリが次々と誕生 甲府市・武田の杜

AI要約

ユネスコエコパーク内で希少なカタツムリが次々と誕生している。

施設内で繁殖に成功した『チチブギセル』や『オクガタギセル』などの珍しいカタツムリが存在。

自然豊かな武田の杜サービスセンターでは、生き物の保護と繁殖が行われている。

“ギセル”って? 希少なカタツムリが次々と誕生 甲府市・武田の杜

雨の日などによく見かける希少な生き物がユネスコエコパークの中で次々と誕生しています。

希少な生き物がいるのが、甲府市山宮町にある武田の杜サービスセンター。

この施設の中にいるということですが・・・

ちょっと形が変わっているカタツムリ。「チチブギセル」

山梨県のレッドデータブックにも掲載されている貴重なカタツムリです。

県立武田の杜サービスセンター 村山力所長:

「秩父山脈にしかいない変わった珍しいカタツムリということになります。

普通のカタツムリは丸い“マイマイ”という形をしていますが、

これは“ギセル”という細長い形をしています」

大きさは成虫でも2㎝ほど。生まれたてのものは2㎜ほどの小ささです。

村山所長:

「昨年度山梨県内で発見され、それを友人から譲り受けて、国内で最初に繁殖に成功したんです。今まで繁殖の仕方とか生態がほとんど分かっていなかったものなんですよね」

2年ほど前から繁殖に成功し、これまでに9匹、さらに8月3日には6匹が新たに生まれ、合わせて15匹がここで誕生しました。

このカタツムリ、どのようなものを食べるのでしょうか?

村山所長:

「私の方でいろいろ考えて、割と食べやすいのはレタスとキュウリ」

そしてもう一つ重要なエサが。

村山所長:

「これはイカの骨と言われているペットショップで小鳥用に売っているモノです。カタツムリは成長とともに貝殻も大きくなるんです。ですからこういうものでカルシウムを摂っているんです」

カタツムリの生態はまだ解明されていないことが多く、餌なども試行錯誤しています。

そしてさらに今年新たに繁殖に成功したカタツムリが。

村山所長:

「名前はオクガタギセルというものです。これも非常に少ないために、国の絶滅の恐れのある『レッドデータブック』という本に準絶滅種として記載されています。それが今年初めて繁殖に成功しました」

こちらも細長い形が特徴で、体長は8mmほどになっています。

村山所長:

「この種は、卵が生まれてから孵化するまで1ヶ月以上かかるので、その間の環境や変化を安定させることが非常に難しいです。

本当にどの卵から生まれてくるか、それは毎日楽しいですけどね」

武田の杜を含む一帯は、2019年に日本で10番目にユネスコエコパークに登録されました。

豊かな自然のもと、カタツムリを初め、多くの生き物が生息しています。

村山所長:

「豊かな森、深くて安定した森。この森があってこそ、あのか弱い生き物たちが生息できるんです。

ですのでこの森をいつまでも保全していただいて、ああいうカタツムリのような小さな生き物でも生き残れるような豊かな森にしていただきたいですね」

実際に見たいという方は、武田の杜サービスセンターに行けば、どなたでも見ることができますので、様々なカタツムリに会いに来てみては?