パックご飯を無料配布へ 福島県いわき市のFelis社長・熊田さん 首都圏の県出身学生ら支援

AI要約

福島県いわき市の会社「Felis」が、福島県出身の若い世代にパックご飯を無料配布する取り組みを始める。

調理が簡単なパックご飯を通じて古里のありがたみを感じさせ、Uターン就職へのきっかけをつくる。

起業した熊田舞弥(まや)さんが異分にいる学生らに地元の魅力を伝えるために活動する。

クラウドファンディングを通じて必要な資金を募り、福島県内の広告や求人情報も掲載する。

県産米のパックご飯を贈り、県内企業の広告や企業の求人情報を発送用の外袋に記載し、Uターン就職支援を行う。

パックご飯を無料配布へ 福島県いわき市のFelis社長・熊田さん 首都圏の県出身学生ら支援

 今春、福島高専専攻科を修了した熊田舞弥(まや)さん(22)が社長を務める福島県いわき市の会社「Felis(フェリス)」は、福島県出身で首都圏など県外にいる若い世代に県産米のパックご飯を無料で配布する取り組みを始める。調理が簡単なパックご飯で一人暮らしの学生らに古里のありがたみを感じてもらうとともに、パックご飯を発送する際に使う外袋に県内の企業名を記し、就職などで古里にUターンするきっかけにつなげる。

 熊田さんは昨年6月に起業し、今年3月に福島高専専攻科ビジネスコミュニケーション学専攻を修了。企業の紹介動画などを制作する会社を経営している。地元いわき市では高校・大学を卒業した若者の多くが首都圏に就職・進学する傾向に歯止めがかからず、人材獲得には地元企業の発信力強化が必要と感じていた。東京の専門学校に通う妹が発熱した時に身近に頼れる人がいなくて不安になった様子を見て、同じような境遇にある学生の力になりたいとも考え、電子レンジの調理で簡単に食べられるパック御飯の配布を思いついた。

 製造は、楢葉町に大規模なパック御飯製造工場を整備した「相馬屋」(本社・いわき市)に委託する。一パック180グラム入りで15万パック作り、3パック1セットで希望者に無料で届ける。今後、首都圏にいる学生本人や、県内の家族らから申し込みを受け付ける。

 製造と運送費には約1500万円が必要で、クラウドファンディングで資金調達を目指す。個人は一口3千円、企業は一口50万円で、早ければ9月から寄付を受け付ける。寄付の返礼品としてパック御飯を贈る他、県内企業の広告や企業の求人情報を得られるQRコードなどを発送用の外袋に表記し、Uターン就職への関心を喚起する。配布を始める時期は来年の5~6月を予定している。現在、福島高専の学生とパッケージデザインを考案中だ。

 取り組みを広く知ってもらうため、熊田さんは県内の市町村の広報誌や町内会の回覧板などに告知記事や申し込み用のQRコードの掲載を依頼することも検討している。「おいしい県産米を食べれば望郷の念が募り、外袋を見れば県内企業への関心も高まる。若い世代が古里に戻ることを考えるきっかけにしたい」と期待している。

 問い合わせはフェリス(メールアドレスfelis.mayakumada@gmail.com)へ。