水田の生命線である水路が土砂で埋まる 主力のネギも浸水 深刻な農業被害…求められる迅速な復旧(山形・舟形町)
舟形町では記録的な大雨による農業被害が深刻で、特にねぎやお米の被害が顕著です。
被害状況を確認するため県の担当者が調査を行い、復旧対策が急務とされています。
水路が土砂で塞がれ、農業用水が供給されない状況が続いており、早急な対応が求められています。
先月の記録的な大雨で、舟形町では甚大な農業被害が出ています。
今後の復旧対策を講じるため、きょう県の担当者が舟形町を訪れ、被害の現場を調査しました。
先月25日からの大雨で、農業被害は31の市町村で確認されていて、被害額は少なくとも60億円にのぼるということです。
このうち、舟形町では、主力作物のねぎが浸水被害を受けました。
こちらの佐藤さんの園地では、農業用水路が溢れ、およそ3トンのねぎが泥水に浸かってしまったそうです。
ねぎ農家 佐藤 勇さん「上から泥水が入ってしまって、病気が止まらない状況で全滅に近い状態になってしまうのではないか」
収穫を来月に控えていただけに、非常に大きな被害を受けました。
ねぎ農家 佐藤 勇さん「我々から見れば収穫が全てなので、がっかり以上です」
特に深刻な被害を受けたのがお米。こちらは、舟形町の三光堰。田んぼなどに水を供給する、町で最も大きい農業用水路です。
しかし、川の氾濫などで、水路がおよそ1.5キロにわたり土砂で塞がれ、あわせて570ヘクタールの田んぼ、およそ230の農家に水を送れなくなってしまいました。
課題は、この(用水路の)トンネルに詰まった土砂の撤去です。
舟形土地改良区の担当者「1日最高4メートルぐらいしか人力では進めない。重機を入れることもできない。何日かかるかわからない」
農業用水路の生命線ともいわれる三光堰。町では。
松浦亜実 記者「現在は応急対応として、あちらの青いポンプで小国川の水を汲み上げ80メートルのホースを使って三光堰に流しているということです」
今後、7つのポンプを追加して水を送るということですが、水路の水の量の3分の1にも満たないそうです。
これからは米の登熟が進み、最も水が必要となる時期。
厳しい暑さも相まって、コメ農家は生育に影響が出るのではないかと気が気ではありません。
県農林水産部 星 里香子 部長「発災から少し時間が経って、さらに被害の大きさが明らかになってきた。一刻も早い復旧に向けてできる限りのことをしなければいけないと改めて強く思ったところ」
県はこのほか、尾花沢や庄内地域の農業被害も調査していて、早急な対応を検討するとしています。