伝統的な紙細工 切り絵「シリゲ」の展示 繊細な模様を施した力作180点/岡山・真庭市

AI要約

岡山県真庭市蒜山地域で開催されているシリゲ(切り絵)の展示会についての記事。

シリゲは伝統的な紙細工で、盆踊りの灯ろうに飾られる。展示では小中学生から大人までの作品が180点展示されており、特に33点が表彰されている。

シリゲの制作は昔から続く伝統であり、現在は地元の小中学校で習熟が行われている。

伝統的な紙細工 切り絵「シリゲ」の展示 繊細な模様を施した力作180点/岡山・真庭市

 岡山県真庭市蒜山地域に伝わる切り絵「シリゲ」の展示(大宮踊保存会主催)が1日、同市蒜山上長田の蒜山郷土博物館で始まり、繊細な模様を施した力作が来館者たちの目を楽しませている。31日まで。

 シリゲとは同地域の盆踊り・大宮踊(国指定重要無形文化財・ユネスコ無形文化遺産『風流踊』)で灯ろうに飾る伝統的な紙細工。作品は「枠」、透かしの模様を入れた「吊り」、イラストや浮世絵など切りこんだ「絵」の部分の3要素から成り立っている。

 今年は勝山高校蒜山校地の生徒たちも参加しており、館内には小学生から大人まで177人の180点がずらり。それぞれ、創意工夫を凝らして思い思いに仕上げており、このうち、小中学生の作品の中で特に技巧に優れた33点を表彰している。

 前原茂雄館長によるとシリゲの制作は戦前から定着していた習慣で、かつては男性を中心に作っていたが、約50年前から女性たちも加わり緻密で華美な装飾をあしらうようになったという。その後、伝統の継承を目的に地元の小中学校で授業の一環として取り入れられるようになり、毎年児童・生徒たちが同展に参加。

 主催者メンバーの1人・鈴木学さん(73)=同市蒜山下長田=は「子どもたちも地域を支えようと励み、すばらしい作品を完成させた。ぜひ、各所で行われている大宮踊とともに見てほしい」と話している。

 開館時間は午前9時~午後5時(入館は4時半)。最終日は正午まで。

 入賞者は次の通り(敬称略、カッコ内は学校、学年)。

 【最優秀賞】▽中学生の部=小谷蓮(蒜山2)

 【優秀賞】▽小学生の部=筒井百恵(川上5)、狭間咲希(同6)、長須琥汰朗(八束6)▽中学生の部=進奏斗、高見篤輝(以上、蒜山2)、長尾愛來、二若美琴(以上、蒜山3)